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「あ、Aちゃんおはよ」
「おはよう、かいくん」
いつも通り優しい笑顔を向けるかいくん
昨日はかいくんにも迷惑かけっぱなしだったなぁ。急に泣きついて、ケーキいっしょに食べて、かいくんの最後のことばも聞かないで、
「奢ってあげようと思ったのに〜」
「いや、気持ちだけ......」
「......Aちゃんならそう言うと思った〜」
なんの間だったんだろう...気にしなくていいかな。
世界史やだね〜ってかいくんと雑談。迷惑そうじゃなくてよかった。
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「おーい、Aー、」
「............ん、」
だれかがわたしの体を揺さぶる。やさしく、トン、トンって。ゆっくり目を開けるとそこにいたのはれんくん。えっ、って教室を見回すとわたしたち以外だれもいなくて、時計を見ると4:03。なにかあったっけ、
「なに寝ぼけてんねん、バイト行くぞ」
「.........やだ」
「はぁ?」
だってやなんだもん、昨日のこともあるし。いや、勝手に逃げたわたしが悪くてせんぱいはなにも悪くない。いやって言ったって、いやな空気にしてるのはわたし自身。自分でやっておいて行かないなんてわがまますぎるね。
「いやいや言うても行かなあかん、ほら、立て」
「.........や」
「...昨日のことか?」
"昨日"。その言葉にびくってするわたし、まぁ、原因は昨日のこと以外ないんだけど。れんくんは真剣な目でわたしを見つめる。れんくんの目を見つめていると全てお見通しな気がして見つめられない。実際ほとんど見透かされてるんだけど、
「会いにくいかもしれんけど、絶対行かなあかん」
「...............」
「なんかされたら俺んとこに来い、俺が守ったる」
「.........うん」
ええな?って優しく言ってわたしの手を引く。お前が駄々こねるから時間なくなったやんって全力疾走でいつもの道を通る。れんくんはいつもひどいこと言うけどをたまに優しい。そんな優しさがわたしの心を締めつける。せんぱいのことが好きなのに、
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平永 優 - おもしろいですね (2019年1月5日 16時) (レス) id: bfe14f6fc5 (このIDを非表示/違反報告)
ARMY - すごくおもしろいですw応援してます!更新楽しみにしてます! (2018年12月10日 23時) (レス) id: ea329e26cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Erie | 作成日時:2018年12月8日 20時