調査兵団、子育て中です

覚醒 ページ43

sideジーク

馬鹿だなって思って、可哀想にって思ってね

だけど岩を投げた




ほとんどの人間が倒れて

はい、ゲームセットって思ったのに









『あﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞ！！』









「...」









壁の上から、叫び声が聞こえた
視線を向ければ、小さい男の子がこちらを見て
睨んでいる





「あーあー、あんなところに」




連れてこられたのかな
可哀想に...みんな死んで、キミだけ生き残るのは可哀想だ、今すぐ同じところに送ってあげるよ









岩を砕き手に握り、あの子に狙いを定める
...が、異変に気づいた


「...なんだ」


あの子の様子がおかしかった



『..てめぇが..いなければ』



声は聞こえない。だけど何か言っている









『てめぇさえ、いなければ！！』









ブワッとあの子の周りに何かが纏われる









おいおい...まさか









『ぶっ殺してやる！！てめぇは、絶対に...生かしておかねぇ！！！八つ裂きにして、ぐちゃぐちゃにして！生まれてすみませんでしたって謝らせて.....てめぇだけは！喰い殺す！』









「...座標、が」









エレンじゃなかったってのか









『死ね..』



そう口が動いたと確認した時には
俺の巨人が、勝手に動いていた

しかもみんな俺に向かって




おいおいおい..

「嘘だろ」









────────────────
sideリヴァイ

おいおい
待て...冗談だろ





エルヴィンが使えと言った巨人が
獣に向かって牙を剥いた

いや、違う

『殺してやる...殺してやる！！』


「A...！」

アイツが動かした
アイツが...力を使った









『この世界から、消えろよ！！』









冗談じゃねぇぞ..









「A！」

俺は急いで立体機動で壁に上がる

「A！アイツらを止めろ！！」

そして、Aの肩を掴み叫ぶ
だがどうすればいい





『殺してやる..駆逐、してやる。..獣も、鎧も...大型も.....てめぇらのせいだ』



「おい..しっかりしやがれ！」


Aの意識は虚ろなんだ
エルヴィンの言った通りだ





エルヴィン《...リヴァイ、一つ頼まれてくれ》





新兵を率いていく前
アイツが獣を仕留めろと言った前に

俺に頼んだもう一つの事


エルヴィン《Aを抑えろ。アイツは恐らく怒りに呑まれる。その時に力を扱えるだろう...だが、その怒りを沈めてくれ。でなければ、怒りによって命を落とす》

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