調査兵団、子育て中です (ページ30)

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約束ページ30

sideリヴァイ

「例えば..俺達が死んだら」

寝ているAの髪を撫で俺は呟く

「お前は、どうやって生きていく？」

外からは訓練をしているアイツらの声
開けた窓から入る風が心地よい

「...A、エルヴィンは何も言わなかったが..お前は悪魔の子らしい」

ハンジが調べたAの母親は、かつて滅ぼされた一族の末裔だった

「生まれては、ならなかったらしい」

ハンジの予測だと、Aの母親は、自分の腹に餓鬼...つまりAが居ると知って自ら巨人に食われたんだと

Aごと殺そうとしてな
ひでぇ親だ

「だが...安心しろ。お前は俺達が守ってやる」

スヤスヤと眠るAの髪が風に揺れて
ふわふわと靡いた

「クソ共から、守ってやるよ。てめぇみたいなクソ洩らしてる餓鬼にゃ..この世界は一人で生きられない」

それでなくとも、巨人がいるこの世界は
大人でさえ生きられない...壁がない限り

「だから、約束してくれるか....A、
────────よ」

──────
ふいに、部屋の扉が開かれた
いつの間にか寝てた俺は、ハッとして
後ろを振り返る

「...エルヴィンか」

立ってたのは、曖昧に笑ったエルヴィンだった

「どうだった。親権は..」

エ「私達が勝ち取った」

言ったエルヴィンはAに視線を移し
Aの横まで歩いてきた

エ「寝たのか..何時からだ？」

「帰ってくる途中からぐっすりだ」

エ「ハハッ、そうか」

「...何かあったか」

問いかけると、Aの前髪を撫でていた手を
止め小さく言った

エルヴィン「...あの後、上から呼び出しを食らってね.....さんざんどやされたよ。お前には人の心が無いのか、って」

「...」

エルヴィン「言われても仕方ない事だとは...わかっているが、やはりね。さすがにキツい」

相当堪えてるのだろう
瞳は眠たげに少し伏せっていた

俺は座っていた椅子から腰をあげる

エルヴィン「リヴァイ？」

「クソが詰まってる餓鬼共見てくる。てめぇは寝てろ」

エルヴィン「いや、私も行くよ」

言って立ち上がったエルヴィンの腹を蹴り倒す

エルヴィン「！？」

「寝てろっつったろ...強制的に永眠させるぞ」

エルヴィン「ﾜ､ﾜｶﾘﾏｼﾀ..」

青ざめ頷いたエルヴィンを確認し
俺は扉を閉めて外に出た