調査兵団、子育て中です (ページ28)

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話し合いページ28

side父親

扉を開いて入って来た男の第一印象は、何を考えているか分からない、だな

「お座り下さい」

席を促すと、一つ礼をして座った

「エルヴィン・スミス殿、本日はここまで起こし下さり感謝します。さっそくだが...本題に入ろう」

エ「えぇ」

執事に紙を持ってこさせ、彼の手元に渡す

「親権を讓渡する契約書です」

エ「...」

「あの子を返してくれますかね」

エ「訳をお聞かせください」

「息子が父親の元に帰る事は当たり前だと思うが？」

エ「結果を言いますと、渡すつもりはありません」

こいつはあれか。人の話を聞かない奴か？

エ「貴方ではあの子を育てる事は出来ないでしょうからね」

「ほぅ？」

エ「そもそも、今更どういうつもりですか。貴方は何時、何処で、どうやってAを見つけたんです」

「王族なんだ。その程度楽勝に決まって」

エ「そんな事は聞いていない。何時、何処で、どうやって見つけたのかを聞いている」

腕を顎のしたで組みこちらを見つめるスミス
王族に逆らうつもりか？

「口に気をつけろ。調査兵団団長」

こう言えば、大抵の奴等は竦み頭を下げる
だが彼は違った

エ「お言葉ですが、私は今、調査兵団団長としてでなくAの親として貴方の前に座っている訳なんですけどね」

怯むどころか、食いついてくる
これは、一筋縄ではいきそうにないな

エ「それで..答えを聞かせてくれますか」

ここは、私が折れよう

「中央を動かした。採血させたDNAを調べた。あの子を見つけたのは...その時だ」

中央と言う単語を聞いた時、わずかだが上がったのを私は見逃さなかった

組まれた拳も微かに力が入っている

エ「...中央を動かしたのは、王ではないのですね」

「あぁ、私だ。あの王の肩書きを借りたに過ぎない」

エ「.....」

「それが問題あるか？息子の為に、何をしても私の勝手だろう。私は王族...それに、壁外調査で部下を捨ててるキミも、同じだと思うが」

エ「..この話し合いは無効だ」

「...」

エ「あの子は渡さない。こちらで育てる」

ギラりと光った瞳が私を射抜いた