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両親 ページ18

sideエルヴィン

『だんちょー』

「ん?」

『ぼくの、おかーさんと、とーしゃ、どこ?』

「...」

壁外調査から帰って三日
まだ私から離れる事は出来ないが
部屋から出られるようになったAは
私に唐突に言ってきた

『おかーさん、あいたい。とーしゃ、あいたい』

「A..」

何時か言われるだろうと覚悟していた
だが、いざとなったら..上手く言葉が出ない

『ねぇだんちょ、ぼくのおかーさんととーしゃ、どーこ?』

私のズボンを掴み見上げるA

『あいたい。つれてーて!』

この子はもう少しで四歳だったか?
この頃の子供は、母親を恋しがる年齢だ

『みんな、おかーさんいるんだよ。とーしゃに、だっこしてもらうの』

「A...Aのお母さんは」

巨人に喰われていた
お前は巨人から生まれたなんて..言えるか?
例え言えたとしても、この子の心にどれだけ
深い傷を負わせるか...

「A、いいか」

私は持っていた書類を机に置いて、
Aの肩を掴み同じ目線まで屈む

「Aのお母さんとお父さんは、遠くにいる」

『なんで?』

「旅に出たんだよ」

『だって、おそとはきょじんがいるから、だめよって、りあいへーちょと、だんちょがいったよ』

あぁ...どんどん墓穴を掘る

「...Aは、お父さんとお母さんに会ったら...何がしたいんだ?」

気分を変えるために咄嗟に言ってしまったが
その質問は余計私を苦しめる事になった

『あのね、うんとね、ぼく、おかーさんとぎゅーする!とーしゃに、だっこしてもらうの!ごほん、よんでもらう!いっぱいあそぶ!』

濁りない大きな瞳を更に輝かせ
楽しそうに嬉しそうに言うA

「そっか...」

『だんちょと、りあいへーちょも、いっしょに、びゅんびゅんする!』

「普通の人間には立体機動は使えないんだよ.」

『?』

キョトンとしたAの髪を優しく撫でて
私は抱き上げた

「そろそろおヤツの時間だ。きっと美味しいおヤツを作ってくれてるぞ。早く行こうな」

『うん!ぼく、みるくのむ!』

「あぁ...用意してもらおう」

子供は話を切り替えるのが早くて助かった
ひとまずその時は、Aを連れていき
みんなと休憩させる事で、その話を終わらせる事
が出来たが.....そうか

いつまでも、隠せる事ではなかったんだ
子供にとって両親はなくてはならない存在で
それを知らないAは、ずっと一人なんだ





エレン「あっ、ちょ...それ俺の!」

ミカサ「エレン。子供にまで張り合わないで」

エレン「いや、それ俺のだし!」

家族とは、なんだろうな

調査兵団の子供【過去編】→←責められる調査兵団



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いちご大福 - ミオ(金欠)さん» はい! 投票 ありがとうございます! (2018年2月16日 20時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福 - メグさん» 投票ありがとうございます!一先ず了解です! (2018年2月16日 20時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福 - めいさいさん» わかりました!投票ありがとうございます!! (2018年2月16日 20時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福 - サルさん» ありがとうございます!了解しました! (2018年2月16日 20時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福 - ホデリさん» ありがとうございます! アンケート了解です!! (2018年2月16日 20時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちご大福 | 作成日時:2018年2月4日 14時

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