大切な人間 ページ18
鶯丸side
俺は大広間から三日月を連れ出した
三日月「相済まぬな...鶯丸」
「あぁ」
大包平がいない分、俺は一人部屋だ
そっと三日月を机の側に腰掛けさせた
「茶をいれてやろう」
三日月「あぁ、頼む」
声だけで居場所を判断している三日月はこっちを向いて微笑んだ
俺は素早く茶の用意をして、隣に座る
「湯呑みはここだ。大丈夫か」
いれた茶に三日月の手を導いてやる
三日月「ははっ..すまんな」
「.....その瞳、誰にやられたんだ」
三日月「...」
単刀直入に聞くと、三日月は呆けた
そして俺から顔を背けてポツリと語りだす
三日月「政府の人間だ」
「そうか」
三日月「鶯丸、聞いてくれるか」
「あぁ、お前の事ならば...いくらでも聞く」
ふと空気が柔らかくなった気がした
三日月「あの時、お前が俺を逃がしてくれた後.....俺はおかしな穴に落ちた。そして目覚めると、1人の男の家にいた」
「...」
三日月「其奴は、鶴丸にそっくりでな...最初はここまで追ってきたのかと警戒していたのだが.....鶴丸とは全く別人だったのだ」
三日月は部屋の外に顔を向ける
三日月「彼奴は姿形が違うだけで、人間から煙たがられていた。学校でも家でも.....それでも彼奴は1人で耐えて、誰1人として傷つけない。初対面であり、なおかつ怪しい俺の傷まで治してくれて、居場所をくれた」
「...優しいんだな」
三日月「あぁ、そうだな.........出来るならば、もう一度、顔を見たかった」
「...」
三日月はもう何も言わなかった
闇しか映さない瞳で、
何故三日月は堕ちなかったのだろう
「何故...堕ちなかった?堕ちていい仕打ちを受けた筈だ」
三日月「堕ちれなかった。俺とて、辛くて苦しかった。何度もあの闇に身を任せてしまおうと思ったさ........でも、その時に、彼奴が言うんだ。頭の中で、彼奴が俺に怒る」
「...」
三日月「だから堕ちなかった。それだけだ」
「そうか」
その人間が、お前の歯止めになっていたのか
...良かったような悪いような
その人間は...一体どうするのか
三日月が消えた事でどうなるのだろうか
俺も..会ってみたいなぁ
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リン(プロフ) - 風船ガムさんのこの話を見て感動しました!また、三日月宗近テーマのお話書いてください!楽しみにしてます‼ (2022年3月11日 16時) (レス) @page26 id: 4c69a0ba50 (このIDを非表示/違反報告)
リザ - 今、刀剣乱舞の別の話を読みました!三日月の目が潰れているならその人と同化?みたいな?のは駄目ですか? (2018年8月25日 12時) (レス) id: 247d31804a (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 浅葱さん» なんかすみません!!!?(大丈夫です)ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年11月15日 18時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - なんてことしてくれたんですか。続きが気になって眠れないじゃないか!!!!(初コメのくせに失礼極まりない)いつも楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2017年11月14日 21時) (レス) id: ba17717b9c (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - AIさん» 泣けちゃって下さってありがとうございます!頑張ります! (2017年10月30日 19時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風船ガム | 作成日時:2017年9月27日 15時