41話 ページ9
「……夕飯食うか、早くいかねぇとうるせーからな」
『……あ…うん…そうね…』
「…先に行くぞ」
ぱたん
部屋の扉が閉まり、ダルメシアの声が遠ざかる
ちらりと鏡を見ると真っ赤に染まった自分の顔が見えた
見てられなくて目をすぐに背ける
心臓がうるさい
どくどくと全身を血が駆け巡ってる
思い出すのはさっきのエイトフットの瞳
私を見据えて離さなかった 彼の視線
顔に触れた 少し冷たい細い指
あの時、ダルメシアがこなかったら
あの時、エイトフットが止まらなかったら
そんな考えから逃げるように、部屋を飛び出し広間へ向かった
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「あーっ！おっそぉい！
スカーちゃんお腹ぺこぺこなんだからぁ！」
『ごめんねスカー、おまたせ』
広間に着くとすでに全員が席についていた
ここに来てから、食事は自然と全員でとることになっている
ぷりぷりと怒りを露わにするスカーに謝り、小走りで自分の席についた
各々が会話を楽しみながら食事を進める
「…A、顔が赤かったけど大丈夫？風邪でもひいた？」
隣に座るハーデスが行儀よく食事をしながら私に問う
さすがに部屋からここに来るまでの間で赤みは引かなかったらしい
変な誤解を生んでしまった
努めて平静を装い、彼女に笑みを返す
『大丈夫よ、心配ありがとうハーデス』
「エイトフットの特訓が厳しいんじゃないの？
ダメだぞーあんまり無茶させたら」
私の正面に座るジャックが、真反対にいるエイトフットへ声をかける
彼の気怠げな目線がこちらに向いた
どきり、とまた鼓動が早くなるのを感じる
「逆だ逆、物覚えが良すぎて無茶させようがねーよ」
「へぇー！順調なんだね」
「まぁ…教えなきゃいけねぇ事はまだまだあるけどなァ」
またあの瞳が 私を捉える
耳が赤くなるのを感じる
ぱっと不自然に視線を逸らす私を、ハーデスが不思議そうに見つめた
エイトフットの顔がまともに見れない
あの瞳が私を見据えるたびに胸が締め付けられて
息が苦しくなる
顔が熱くなる
でも 嫌じゃない
私はおかしくなってしまったんだろうか
それとも、これも私が知らなかった感情の一つなんだろうか
もっと彼と触れ合えば
この答えも見つかるんだろうか
彼はこの答えを
知っているんだろうか
様々な考えが浮かんでは消えていく
一人で悩むには難しすぎてどうにかなってしまいそうで
ふと、1人の顔が頭に浮かんだ
あの人なら、何か分かるかしら
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うぐいす(プロフ) - ツクモさん» ツクモ様コメントありがとうございます！お返事遅くなり申し訳ありません…！！想像以上に続編希望のお声をいただき、始動させていただきました！よろしければご覧くださいませ！ (2018年12月3日 15時) (
レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
ツクモ(プロフ) - 続編を希望です!!とても、いい話でした！ (2018年11月20日 1時) (レス) id: eb3706892f (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - にゃおさん» にゃお様コメントありがとうございます！楽しんでいただけて嬉しいです！続編のご希望も幸せです…！！にゃお様のご意見含めて検討させていただいてます！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - ステラさん» ステラ様コメントありがとうございます！私の夢を吐き出したこの作品で喜んでいただけたなら幸いです…！！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - くるるさん» くるちゃんコメントありがとう…！こちらこそいつも読んでくれた上にコメントまでくれて幸せでした！ありがとうございます！！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うぐいす | 作成日時：2018年10月22日 13時
