39話 ページ7
変化に気付いたのはリクルーティングに復帰してから数日後、朝に顔を洗おうと洗面所に立った時だった
『あれ…？』
右頬の肌が、少しおかしい
一部分だけ色がくすんできている
そっと手でくすんだ部分に触れると、ざらりとした感触
触れた指が少し痛い
これは…元の肌の感触に似ている
体が元にもどってきてる…？
はっとして自分の口内を確認すると、以前より尖った歯がいくつも連なっていた
左手で足に触れると、そこにもざらりとした感触がある
リクルーティングは残り半月
終わりが近い
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皆んなの様子を見ようと広間に向かってる途中、廊下でエイトフットを見つけた
相変わらずの気怠そうな瞳がこちらを捉える
『おはようエイトフット』
「おー……お前その頬…」
『やっぱりわかる…？リクルーティング大丈夫かしら…』
「…大丈夫だろ、俺もだし」
そう言って差し出した彼の手の甲は、真ん中あたりが紫色へと変化している
海で見た彼の色だ
『…魔法が解けてるのかしら』
「おそらくな
そういや、ダルメシアなんかも最近人間の言葉たまに忘れてたなァ…」
『…』
寂しい
これが終われば、私達はマスターの元に戻ることになる
あの暗い深海で
仲間の存在を感じず
孤独に
決して戻りたくないわけじゃない
けれど
一度仲間の心地よさを知ってしまったこの身は、それがどれだけ辛いことか容易に想像がついた
「…行くぞ、仕事だ」
『…えぇ…』
あなたとも こんなに頻繁に会えなくなるのね
少しは寂しいと 感じてくれてる？
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「それではAさん！お願いします！」
『…ちゃんと聞いてる？撮ってる場合じゃないのよ』
私達を囲む人間達をぐるりと見渡し、口上を述べる
ポーズをきめ、次のホックとハイタッチを交わし交代
そのまま横に下がる時、ふとマルフィの鏡が目に入った
『マルフィ、鏡見せて』
「おや珍しい…どうぞ」
2人で一つの鏡を覗き込む
やっぱり右頬はくすんでいて、歯は鋭さを増している
これからどんどん戻っていってしまうんだろうか
少し、怖い
「…不安そうだね」
『…別に戻るのは嬉しいのよ、でも…』
「大丈夫、なにも私達はこれっきりなわけではない
たとえ元に戻り離れ離れになっても」
マルフィの手が私の頭を撫でる
「私達は、仲間だよ」
そう言って微笑む彼の言葉に、どうしようもなく救われた気がした
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うぐいす(プロフ) - ツクモさん» ツクモ様コメントありがとうございます！お返事遅くなり申し訳ありません…！！想像以上に続編希望のお声をいただき、始動させていただきました！よろしければご覧くださいませ！ (2018年12月3日 15時) (
レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
ツクモ(プロフ) - 続編を希望です!!とても、いい話でした！ (2018年11月20日 1時) (レス) id: eb3706892f (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - にゃおさん» にゃお様コメントありがとうございます！楽しんでいただけて嬉しいです！続編のご希望も幸せです…！！にゃお様のご意見含めて検討させていただいてます！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - ステラさん» ステラ様コメントありがとうございます！私の夢を吐き出したこの作品で喜んでいただけたなら幸いです…！！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - くるるさん» くるちゃんコメントありがとう…！こちらこそいつも読んでくれた上にコメントまでくれて幸せでした！ありがとうございます！！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うぐいす | 作成日時：2018年10月22日 13時
