38話 ページ6
--------アップルside--------
Aに私の想いを伝えようとした
これが愛かはわからないが、あなたを大切に想っている、と
だから不安になる必要などないと
Aの肩を引き、私を見据えるエイトフット
その目に宿る感情も、私にはわからない
ただ この胸の内にもやもやと
薄暗い感情が芽生えるのを感じた
用意をしてくる、と言い残し広間を去っていく彼女を見送る
沈黙を破ったのはエイトフットだった
「自分の価値を理解してない奴ってそそられるよなぁ…アップル？」
「…何が言いたい」
「別にィ…ただ、言っておこうと思ってな」
とん、と彼の手が肩に触れる
「あれは俺のもんだ
狙うなら…お前だって容赦しねぇ」
すれ違いざまに言葉を投げかけ去っていくあいつに
私は、なにも言うことができないまま佇んだ
----------------
--------エイトフットside--------
やっぱりな
あいつを、Aを手に入れると決めてから、いくつか気になる事ができた
そのうちの一つが、ジャックとアップルの目線
ジャックはあいつに好意を持っている
巧妙に隠してはいるが、俺の目は誤魔化せねぇ
だが同時に、自分の幸せというよりAの幸せ自体を願っているんだろう
手を出す気はあまりなさそうだ
問題は、アップルポイズンだ
恐らくはまだ自分の感情に気付いてねぇ
仲間だからとでも思っているんだろう
だが何かの拍子で気付いたら…
あいつは一見紳士的に見えるが、その実誰よりもヴィランズらしい
確実に力づくでモノにしたがるだろう
「厄介な奴が敵になっちまったなァ…」
『…ちょっと、エイトフット
私の話聞いてないでしょう』
「あ？あー…悪い悪い」
ぼやいているとふくれっ面でAがこちらを見ているのに気付いた
意外と子供みたいな反応するんだな
今日から夕飯までの空き時間に、簡単な魔法から少しずつ教えていくことにした
今はその特訓をAの部屋でやっている最中だ
といっても、こいつの容量や勘の良さと頭の良さが相まって、既に簡単なものはこなせるようになっちまった
教わる側が優秀だと楽でいい
この分なら今後もあまり心配はなさそうだ
…それにしても
「…一応2人きりなんだがな」
『ねぇねぇ、ここはどうすればいいの？』
「…」
男と部屋で2人きり、という事実より魔法への好奇心が勝っている
わかっちゃいたが先は長そうだ
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うぐいす(プロフ) - ツクモさん» ツクモ様コメントありがとうございます！お返事遅くなり申し訳ありません…！！想像以上に続編希望のお声をいただき、始動させていただきました！よろしければご覧くださいませ！ (2018年12月3日 15時) (
レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
ツクモ(プロフ) - 続編を希望です!!とても、いい話でした！ (2018年11月20日 1時) (レス) id: eb3706892f (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - にゃおさん» にゃお様コメントありがとうございます！楽しんでいただけて嬉しいです！続編のご希望も幸せです…！！にゃお様のご意見含めて検討させていただいてます！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - ステラさん» ステラ様コメントありがとうございます！私の夢を吐き出したこの作品で喜んでいただけたなら幸いです…！！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - くるるさん» くるちゃんコメントありがとう…！こちらこそいつも読んでくれた上にコメントまでくれて幸せでした！ありがとうございます！！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うぐいす | 作成日時：2018年10月22日 13時
