46話 ページ15
----エイトフットside----
「愛してるだと…？」
俺達に似つかわしくない響きを、アップルはきっぱりと述べた
まるで俺を挑発するように
もやり、とドス黒い感情が心に蠢く
「私は自分の愛を認めた、妙な価値観に怯えて自分を認められないお前とは違う」
「んだとてめェ…！」
「間抜けだなエイトフット
お前は、自分の新たな感情を恐れたせいで、私にAを奪われるんだ」
奴の言葉に目を見開く
唖然とする俺を尻目に、アップルは清々しい顔つきで俺の前から去っていった
恐れている？
怯えている？
俺が？
違う 俺は
----------------
--------Aside--------
エイトフットとの特訓の時間になっても、私の心は冷静だった
いつも通りの時間に部屋に来た彼を招き入れ、魔法を教わる
ガラスの瓶の中にある水だけを、魔力を使って自在に操る特訓
一昨日の特訓でやった事なので大して難しい事ではない
はずなのに
ガシャン
『ｯ…！』
「……」
操りきれず水が暴走し、ガラス瓶が砕け散った
なんで、一昨日はあんなに、すんなりできたのに
「…怪我はねーか」
『え、ええ…』
「もう一回やってみろ」
エイトフットが指を一振りすると、砕けたガラスが泡となり消え、かわりに同じガラス瓶が机の上に現れる
もう一度、慎重に、魔力をこめた
ガシャン
『…なんで…』
また失敗
破裂するように割れたガラス瓶は、机の上いっぱいに散乱している
困惑する私を見据え、ソファに座っていたエイトフットが立ち上がった
そのままゆっくり 私に近づく
「魔力は自分の精神面が大きく影響に出る
コントロール出来てねぇって事は、お前の精神面が不安定ってことだ」
『でも私、そんな不安定になんて…』
「…ところでお前、なんで俺を避けてやがんだ？」
『…え？』
どきり
さっきまで静かだった心臓が、早鐘を打ち始める
『…避けてなんか、ないじゃない
いつも通り接してるし、こうして特訓だって…』
「ならなんで一定距離以上近付かねぇんだよ
…今だってそうじゃねーか」
言われて、自分の足が一歩後ろに下がっている事にようやく気付いた
エイトフットがまた一歩近付く
足が、一歩下がる
とん、と壁に背中がつき、追い詰められたことを知る
彼が私の顔の両側に手をつき
あの深海の瞳に 私が映った
「A、答えろ
逃げるんじゃねェ」
有無を言わさぬ彼の言葉に
これ以上隠せないと悟った
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うぐいす(プロフ) - ツクモさん» ツクモ様コメントありがとうございます！お返事遅くなり申し訳ありません…！！想像以上に続編希望のお声をいただき、始動させていただきました！よろしければご覧くださいませ！ (2018年12月3日 15時) (
レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
ツクモ(プロフ) - 続編を希望です!!とても、いい話でした！ (2018年11月20日 1時) (レス) id: eb3706892f (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - にゃおさん» にゃお様コメントありがとうございます！楽しんでいただけて嬉しいです！続編のご希望も幸せです…！！にゃお様のご意見含めて検討させていただいてます！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - ステラさん» ステラ様コメントありがとうございます！私の夢を吐き出したこの作品で喜んでいただけたなら幸いです…！！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - くるるさん» くるちゃんコメントありがとう…！こちらこそいつも読んでくれた上にコメントまでくれて幸せでした！ありがとうございます！！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うぐいす | 作成日時：2018年10月22日 13時
