最初から決まっていた決着 ページ7
｢くっ、黙れ！｣
動揺したカストロは叫びながら突撃する。
その傍らには瓜二つの分身が存在するが…
｢…ッ…！？｣
ヒソカの顔面は、正確に本体へと向いた。
そのことに戦慄する本体を差し置いて、分身が連撃を仕掛ける。
しかし、その全てが読み切られている。
｢…分身というものは、｢通常の自分｣をイメージで再現した物…つまり、
リーファと同じことを見抜いたヒソカに、更にカストロが衝撃を受ける。
｢そんなことも、知らなかったのか…♠｣
凝によりオーラの集中した冷たい視線が、カストロの精神を大きく揺らした。
｢う、うわあああああああああっ！｣
絶叫しながら殴り掛かる、が。
｢…あぁ、成程…そこで発動するのですね｣
そう言ったリーファの眼前、カストロの顎に、拳が刺さった。
それは、その肘より下がついていなかった、即ち先程断ち切られた左腕。
クリーンヒットした一撃に、ふらふらと体勢を崩したカストロには、分身を留めておく余裕もない。
｢…ああ、終わり、ですね｣
興味を失くしたように歩み去るヒソカの横、カストロの眼前に迫って来た物、それは。
先のマジックで使った無数のトランプ。
焦って分身を生み出そうとするが、上手く行かずに目を見開いた。
｢分身を生み出して防御するのは無理。分身が出せないから｣
その左腕に、二枚のカードが刺さる。
左へと回転するカストロ。
｢念により分身を作り出すには高い集中力が必要。
いくら自由に出し入れができたとしてもそれは正常な状態だからこそ｣
その右腕に、今度は二枚刺さり、その体を右に回す。
そして。
｢…人間のように複雑な物を、念で再現し、しかも『自由に動かす』のは凄く大変だ。
どのくらいかと言えば、その能力を覚えてしまうと逆に他の能力を使えなくなってしまう程…
ボクはそれを、『
その全身に、深く深く刃が突き刺さった。
｢キミの敗因は、容量の無駄遣い♥｣
その体が地面に倒れ伏した時には、既にカストロの息は途絶えてしまっていた。
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作者名：クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時：2023年1月22日 13時
