転生したらブースターで嫁ポケのリーフィア（擬人化）に拾われたと思ったらハンター目指すことになった件３ (ページ45)

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出立に向けてページ45

暖かな日の光の下、激しく風を切る音が幾重にも重なり響いていた。

｢ふっ、はぁっ！｣

光の剣を両手に構え、ひたすら虚空を斬り裂き続ける。

その先にはぱらぱらと落ちてくる木葉、その全てが真っ二つ、あるいは四つであったり六つに分割されて地に落ちる。

｢……気合い入ってるわねぇ……｣
｢だね、リーファも次の目的地が決まったみたいだしね｣

出発は二日後。
それまでにパフォーマンスを元に戻しておく必要がある。

何があってもいいように、いつ誰に襲われても生き残れるように。

｢ぶ｣

AもAで森中を駆け巡り、食事の為の獲物を狩る。

鹿であったり、猪であったり。

Aも人間と同じく雑食であるが、やはりそうなると極上のエネルギー源は肉である。

家の裏庭の畑を荒らすものもいるが、過度に狩りすぎないことで作物を守り、自然界のバランスを保ち続けることも両立すること自然との適切な付き合い方である。

『おっ、いたいた』

今日は大きめの熊を見つけた。

まだこちらに気が付いていないようで、そのまま背後に頭突きをかますことで酷く驚いていた。

｢！？｣
『よっしゃあ！ “火炎放射”！』

大きく息を吸い込み、己の身体の中に宿した炎を増幅させ解き放つ。

火に包まれた熊は生存本能の反射から逃げ出そうとするが、更に火を纏ったAにあっさり回り込まれる。

『“火事場の鉄槌(アイアンテール)”』

凝も活用した鋼鉄の尻尾を振り回し、その顎を打ち抜いた。

脳を揺らされ、更にオーラによる痛烈な一撃を受けて熊はぶっ倒れた。

『よっしゃーっと』

倒れた熊を器用に背負い、その小柄な見た目とは裏腹に怪力を発揮して走り出す。

森の中を駆けずり回っていた時と何ら変わらぬスピードで走り続けるA。

今日は美味い熊肉が食べられそうだ。