奇術と戦術 ページ25
｢はっ、はあっ！｣
その速さを生かし、ヒソカの周囲を飛び回り撹乱しつつ斬撃を加えていく。
もちろんヒソカもただで受けることはなく、何とか食らいつき回避していく。
合間にトランプを投げるが、まぁ当たらない。
｢本当に速いね…当たらないや♣️｣
｢…｣
リーファは、剣、蹴り、タネマシンガン以外の手札を見せていない。
その他に切り札とも言える何かが隠されているのか、はたまたそれだけなのかは本人以外知り得ないことである。
｢はっ！｣
振り払われた双剣が伸び、光の刃がヒソカの肩を切り裂く。
｢クリーンヒット！ワンポイントリーファ！｣
再びリーファが一歩リードする。
かなり熱い展開に観客席から歓声が沸き起こる。
｢あ、そうだ♠️｣
唐突に何かを思い付いたらしいヒソカがニヤリと笑う。
｢…こんなのはどうかな？｣
そう言ってヒソカが天井に右足を伸ばす。
伸ばされたオーラは天井に貼り付くと、ヒソカを一気に天井まで引っ張り天井に立たせた。
｢…？｣
｢えいっ♥️｣
そして地面へと向けられていた左手から、無数のオーラが飛ばされ闘技場のあちこちに貼り付く。
｢何を…？｣
｢すぐにわかるよ♦️｣
そう言ったヒソカは左手を一気に引いた。
するとステージの石畳が次々捲れては割れ、立っていたリーファに岩の刃として襲いかかった。
｢…！っ…｣
咄嗟に飛び退き剣を振るう。
しかし、リーファの意識は一瞬だけ、完全に地面へと向けられてしまった。
｢えいっ♥️｣
その瞬間、ヒソカの足から放たれたオーラがリーファの背に貼り付く。
反応する間もなく収縮されたオーラはぐんと二人を引っ張り合い、その足がリーファの背に直撃した。
その勢いのまま解放されたリーファは地面に叩きつけられる。
｢クリティカル！アンドダウン！スリーポイントヒソカ！｣
再び逆転。
ヒソカの勝利まで、あとたったの一ポイント。
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作者名：クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時：2023年1月22日 13時
