後始末 ページ46
「“修復”」
オシストが杖を振れば、放たれた光が襲撃の余波で吹き飛ばした建物の残骸を包み込み、元通りに直していく。
「ねぇ私全くもって暴れられなかったんだけど?」
「仕方ないだろ……」
いかにも不服そうな表情を浮かべて悪態をつくのはやはりワイド。
日傘をしっかりとさす彼女にはどうやっても日中での戦闘は行えたものではないのだ。
だって彼女はアルビノ、である以前に吸血鬼なのだから。
「さて、これで全員か?」
巻き込まれた一般市民を立ち上がらせ、ようやくマールドが口を開いた。
「よし、目的は達成した。かなり荒っぽくはなったが、ひとまずこれで粗方いいだろ」
「帰宅!帰宅ぅー!」
その安堵混じりのため息を聞いて、巧が一目散に帰っていく。
「私も終わったので皆さんを連れて帰りますね。“集団転移”」
少し長い詠唱と共に、兵士達の多くが光につつまれオシスト共々魔王城へと戻っていく。
「……俺もとっとと去るか……」
東矢も浮かび上がり、そのまま魔王城を目指し飛んでいく。
「……ん?」
……ふと、一抹の何かを感じた気がするが……
「……気のせいか。」
特に気にすることはなく振り返って飛び去っていく。
「……チッ、道理であれがあっさり始末される訳だ……もっと魔力を溜めなければ……」
街からやや離れた森の中、一人面白くなさそうに呟く男がいた。
「……人間も魔物も、一体残さず始末しないと、だな」
そう呟くと、男は踵を返しその場を離れていったのだった。
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クロロフィル@リーフィア狂/あるりーす(プロフ) - 朱欄さん» ありがとうございます!これからも更新頑張りますね! (2023年1月14日 20時) (レス) id: c1253398fc (このIDを非表示/違反報告)
朱欄(プロフ) - Banana is Kami(作品最高です!キャラデザがすごく好きです!特にワイドちゃんがかわいい←あ、星押しときますn(() (2023年1月14日 20時) (レス) @page3 id: efb6a7397d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http
作成日時:2022年12月29日 21時