神話の裏の、木漏れ日に。 (ページ41)

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【蓮華】キキツヅニナク【キキツヅニナクアフター】ページ41

｢ん……｣

目を覚ます。

普段通りの朝。
日が差してくるカーテン。

｢おはよう、蓮華｣
｢ん、おはよ……｣

未だ眠たげに閉じようとする瞼をこじ開け布団から出て、朝食を用意する相棒を横目に椅子に座る。

ふとテレビをつける。
ニュース番組だ、どうやら昨日はスーパームーンと言われる現象があったらしい。
ぼーっと、口を小さく開いたまま流し見していた、その時だった。

｢……キキツヅニナク……｣
｢んー？｣
｢……ッ!?｣

瞬間、不思議そうにこちらを見た紫陽花の声にハッとして口を押えた。

今、オレは何を口走った？

｢何？キキツ……？｣
｢んー！んーん！！｣

違う、お前は知っちゃダメだ。

必死に首を振り、何でもないと誤魔化す。

｢なに、どうしたの？らしくないよ？｣
｢っ……いいから！｣

胸の奥底から伝えたい、この言葉を知ってほしいという衝動が沸き上がる。
しかし、それを根性と理性でなんとか押し留めて口を開く。

｢いい!? 暫くオレが変なこと呟くと思うけど！絶対調べたりしちゃだめだから！フリじゃないしネタでもない！こないだのお泊り騒ぎと同系統のダメなヤツだから！！｣
｢あ、う、う、うん……ホントにどうしたのさ相棒……｣

必死に言いくるめるその様が紫陽花にどう映ったかは分からない。
ただ、彼にどう思われようと、あのサイトには接続してほしくない。

アンドロイドである紫陽花だけには、特に。