【御霊】孤独なダークヒーロー【華の色アフター】 ページ37
振り下ろされた大剣が亡霊の身体を真っ二つに断ち切り、凄まじい悲鳴と共に消滅させる。
「……はぁ」
現世への未練を断ち切り、成仏させるために己の除霊効果を持った覇気でもって幽霊を斬るのが御霊の仕事である。
御霊にしか出来ない、死者の想いを断ち切る最悪の汚れ仕事。
それでも。
「……こういうのは俺一人でやりゃいいんだよ」
溜め息を吐きながら、塩を持って祈りを捧げる。
あの世では報われるように、無事に生まれ変われるように。
御霊のルーティーンである。
請け負う傷は一人で背負い、恨み辛みを浴びせられる。
そんな辛いことなんて、自分以外の誰にもさせられないし、巻き込めない。
「……帰るか」
自身さえも打ち捨てて、それでも己の心に掲げた信念の為に生きる男には帰る場所がある。
前世から繋がる親友三人とのシェアハウス。
彼は孤独ではあっても、一人ではないのだ。
ただそこに、仲間がいるのだから。
【蓮華】家族と、相棒と、友人と。【VOIDアフター】→←【サシナス】交際報告【浜辺アフター】
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時:2023年6月3日 15時