珍しい邂逅 ページ24
「さて、余裕もできたし来てみたはいいんだが…誰もいないな」
時刻は正午をやや上回った頃。
アパートの入り口にマールドが一人佇んでいた。
「アイツも居ないし…誰かいるかー?」
その呼びかけに反応してか、一つの人影がひょっこりと顔を出した。
「あ…ま、マールドさん…」
「おう、アルマか。元気か?」
「うん…大丈夫」
「そうか、ならいいか」
やや怯えているのか、それとも単なる人見知りか。
未だにあまり縮まらない距離感だが、お互いに仲良くしようという気持ちはあるし、互いがいい人だと分かっているので警戒はかなり薄い。
少し話していくうちに、話題は互いのパートナーのことへと移り変わる。
「そうだ、彼女さんとは上手くやれてるか?」
「うん…大丈夫…カイトは優しいから」
「そうか。アンタら仲いいもんな」
「…うん…カイトはいつも優しくてかわいいから…」
「そうか、大事にしろよ?」
「うん…!えっと…マールドさんは?」
「僕?…んー…それはオシストのことで合ってるか?」
「うん…そうだよ」
「そうか…まぁ、アイツはいい奴だしな。必要以上に干渉してくることはあまりないし、優しいしでちゃんと自重してくれる。
…悪い気はしねぇよ」
「そっか…」
…和やかな雰囲気がエントランスに満ちる。
暫くこの時間が続くかと思われた、その時だった。
ドパァンッ!
「ひゃっ」
「いやっほーーーーっ!!!」
「ど〜も〜」
「だから建物壊すなってあれほど言われてんだろうが!」
ドアを豪快にブチ破り、ソーラと…小柄な男が入って来た。
「ちがうもん!このアパートがよわいのがわるいんだもん!」
「そうだよぉ〜、ソーラでもかんたんにこわせちゃうからぁ〜」
「それは…どうかと思うけど…」
「はぁ…で?アンタ誰だ?」
蒼い目に紺色の髪。
背の低い見知らぬ少年に名前を聞く。
「ぼくはねぇ〜…フールだよぉ〜」
「私のかれし?なの!」
…どうやらソーラの彼氏であるらしい。
「えっお前…ボッチじゃなかったのかよ…」
「…そうだったんだ…意外…」
「ねぇ!わたしのことなにだと思ってるの!?」
「馬鹿」
「う〜ん…ぼくもおなじかなぁ〜」
「ひどいよふたりとも!?」
爆音のソーラに、ゆったりしたフール。
二人の温度差に、アルマはただ部屋の隅で震えるしかなかったのだった。
「…大丈夫か?」
「…だいじょばない…こわいよ…」
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クロロフィル@深緑の指揮者/あるりーす(プロフ) - アゲハ??@ペテ神(初心者)#エタフェア?色担当さん» (*'ω'*) (2022年11月13日 17時) (レス) id: e7c7774a04 (このIDを非表示/違反報告)
アゲハ??@ペテ神(初心者)#エタフェア?色担当(プロフ) - デデデデデデデート……… (2022年11月13日 17時) (レス) @page12 id: cce2e65e12 (このIDを非表示/違反報告)
ルーチェ(プロフ) - 全然おk クロロさんの動かすうちの子たちも見てみたいしね〜。 (2022年11月11日 16時) (レス) id: b38fd54f9d (このIDを非表示/違反報告)
クロロフィル@深緑の指揮者/あるりーす(プロフ) - ルーチェさん» 勝手にオリキャラ動かすけどおけ?() (2022年11月11日 16時) (レス) id: e7c7774a04 (このIDを非表示/違反報告)
ルーチェ(プロフ) - じー・・。(仲間になりたそうにこちらをみている!) (2022年11月11日 15時) (レス) id: b38fd54f9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:No.
作成日時:2022年11月5日 17時