ある月明りの夜 ページ23
「…ふぅ…やっぱ夜もきれいだよなここ…」
コーヒーを片手に、月明かりで本を読むマールド。
当然ながら、この世界の月や星などは全てクロロの作ったものであり、そしてその全ては明確には星ではない。
「…しっかし…あれ全部クロロの創った世界なのかよ…」
そう。
雲一つ無い満点の星空の全てが、クロロの創った世界なのだ。
その中には、当然ながらマールドやオシストの住む世界もある。
…どれかは知ったことではないが。
一つ一つが眩い輝きを放っており、それぞれの特徴的な魔法の光がかすかに見える。
そして、あの明るく大きな満月もまた、一つの世界なのだ。
月に舞う、炎に水に雷に、岩に霧に蛇に蟲に。
「…何でだ…?」
そして、その全てはまごうこと無き太陽に照らされている。
しかしその太陽こそが、
世界は回る、回るは世界。
しかしその中心は…少なくとも“この世界”の中心は紛れもなくクロロであり、彼が世界を回している。
そんな中に、自分達は生きている。
「…何だかなぁ…不思議なもんだよ、全く…」
やや冷めてきたコーヒーを自前の炎で温め直し、喉へ流す。
…神が違えば、世界も違う。
この世界のように、光に照らされた煌々と明るい世界もあれば、深い闇に包まれた真っ暗な世界も、彗星煌めく不思議な地下の世界も。
深い海の中でひっそり佇む者たちも、自分の力や快楽の為に世界を破壊して回る者たちも。
神の性格が、人格が、経験が、好物が、多彩な世界を次々と生み出していく。
マールドもまた、そんな神羅万象の一つなのだ。
「…月が綺麗ですね」
いつの間にか居た、少女に向かって微笑みかける。
「…まぁ、美しい薔薇には棘があるって言うしな、美しい物が必ずしも良いものとは限らねぇよ」
「あら…それもそうですね」
「おう、結局、今の世界が一番住んでて楽しいし、生き甲斐があるってもんだな」
にっこりと微笑み、再び月を眺めるマールドであった。
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クロロフィル@深緑の指揮者/あるりーす(プロフ) - アゲハ??@ペテ神(初心者)#エタフェア?色担当さん» (*'ω'*) (2022年11月13日 17時) (レス) id: e7c7774a04 (このIDを非表示/違反報告)
アゲハ??@ペテ神(初心者)#エタフェア?色担当(プロフ) - デデデデデデデート……… (2022年11月13日 17時) (レス) @page12 id: cce2e65e12 (このIDを非表示/違反報告)
ルーチェ(プロフ) - 全然おk クロロさんの動かすうちの子たちも見てみたいしね〜。 (2022年11月11日 16時) (レス) id: b38fd54f9d (このIDを非表示/違反報告)
クロロフィル@深緑の指揮者/あるりーす(プロフ) - ルーチェさん» 勝手にオリキャラ動かすけどおけ?() (2022年11月11日 16時) (レス) id: e7c7774a04 (このIDを非表示/違反報告)
ルーチェ(プロフ) - じー・・。(仲間になりたそうにこちらをみている!) (2022年11月11日 15時) (レス) id: b38fd54f9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:No.
作成日時:2022年11月5日 17時