木漏れ日の差すアパートで (ページ16)

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巡回ページ16

｢さて、粗方皆行ったか、っと…｣

住民全員がアパートから帰ったことを確認し、クロロは一つ伸びをする。

…え？

フレアがまだ描写されてない…？

アイツはいっつも“主”と一緒だからな、当たり前だろ。

…話が逸れた。

ともかく、今度はアパート周辺の設備の手入れを行っていく。

｢魔法陣は…うん、やっぱり万全だな。｣

魔法陣が壊れていないことを再確認し、次の施設へ。

｢この闘技場…最後に使ったのは何年前だ？｣

アパートから少し離れた場所に建っている闘技場。

文字通り住民同士が戦ったりする為の場所だが、基本仲良しなので争い事が起こることは(クロロ自身とソーラを除いて)ほぼないので使うことはほぼない。

故に使われず、綺麗なまま放置されていたのだ。

｢…今度大会でも開こうか…いやそれにしては人数が微妙だしマールドの一強になるからなぁ…｣

クロロのお気に入りでもあるマールドは、よくクロロ自身の悪ふざけにより異世界転移させられている。

主に面白そうだと感じたところに放り込んでいるのだが…

これが酷かった。

｢…まさかあそこまでカオスなゲームが立て続けにあるとは思わないよなぁ…｣

正直、マールドがあそこまで酷い目に遭うことは…ここまで強くなってしまうのは完全に想定外であった。

まぁ、仕方ないとも言える。

人狼だとかデスゲームだとか、そういったものに参加し続ければ自然と精神も肉体も鍛えられることだろう。

…他の世界の神とは渡り合えそうなクラスまで成長したのは予想できなかったが。

｢…また今度。だな｣

闘技場を去り、草木のトンネルを通って次に向かうのは公園。

｢こっちはそこそこ汚れてるな…｣

主に子供たちの遊び場として活用されるこの公園、特に子供用の遊具類はやはり汚れやすい。

ついでにほんの稀に青年組が本気で野球とかサッカーとかする際はもっと酷い。

…まぁ、マールドがかなりマシになるよう努力してくれているので後片付けは楽だが。

｢ホントマールド様々だな、っと、終わりか｣

汚れやラクガキを消し去り、道具を洗うために川へ向かう。

一応水道も出せるが、こちらの方が風流のあるというものである。

｢おーちべて。｣

まぁまぁ綺麗な水質を保つことで生物も住み着きやすくなっている。

夏は涼みを求めて水遊びをし、夜になればホタルを観察する。
秋になれば鈴虫を筆頭とした昆虫たちのハーモニーが聞こえてくる。

｢やっぱり自然っていいよなぁ…｣

今日もまた、たった一人で嚙みしめるように呟くのであった。