苦労人の朝 ページ13
「っ…あぁ、もう朝か」
ベッドから身を起こし、一つ伸びをする彼はマールド。
アパートの一番最初の住人であり、クロロの一番のお気に入りでもある。
「えーと、コーヒーコーヒー…おけ、牛乳もあるな」
コーヒーを淹れ、ミルクを注いで苦味を和らげたうえで飲む。
彼の最近のモーニングルーティーンであり、眠気覚ましの為の習慣だ。
「もうこっちでの生活にも慣れちまったなぁ…」
そんなことを呟きながら、朝食の準備を始める。
簡単に目玉焼きを作っていく。
火はガスではなく自前の炎魔法を使う。
一応ここはガス代自体はそこまで掛からないのだが、掃除が面倒なのと便利だからいつも使っていたせいですっかり癖になっているようだ。
「おっけ完成…あとはパンに…っと」
ベーコンと共に軽く焼いたパンで挟んで完成である。
「うん、我ながら上出来だな…」
ベランダに出て、木漏れ日を浴びながら朝食を取る。
このアパートの醍醐味であり、住民たちが世界も違うのに居住し続ける理由の一つでもある。
「ごちそうさまでしたっと…」
朝食を済ませ、着々とスーツに着替えていく。
着替え終わり、体裁を整えた後で彼が向かうのはエントランス。
「今日も朝早いですね、おはようございます」
「あぁ、まぁな。行ってくる」
「お気をつけて」
玄関口の掃除をするクロロを置いてある部屋へと入る。
そこに一つだけ輝くのは少し大きな魔法陣。
マールドがそこに足を乗せればみるみるうちに淡い光がマールドを包み込み、あっと言う間にその体はどこかへ消え失せていた。
この魔法陣は彼らの住む世界とこのアパートのある世界を結ぶ唯一の通路なのだ。
こうして彼は今日も仕事の為に繰り出して行く。
「あ、どーも!」
続いてボサボサの髪をそのままに駆けてくるのは巧、クロロが初めて作った世界の中心人物だ。
「どうも、今日もご友人とゲームですか?」
「おうよ!あいつら待ち合わせしてるんだ!悪いけどもう行くな!」
「いってらっしゃいませ」
そのまま魔法陣へ迷いなく飛び乗り、その体が彼の世界へ転送される。
「…全く、忙しい奴らだよ…もうちょっとのんびりしてくれてもいいのにな…って無理か」
クロロは少し笑うと再び掃除に取り掛かる。
彼の見上げる先には、今日もまた巨大な大木がそびえ立っていたのであった。
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クロロフィル@深緑の指揮者/あるりーす(プロフ) - アゲハ??@ペテ神(初心者)#エタフェア?色担当さん» (*'ω'*) (2022年11月13日 17時) (レス) id: e7c7774a04 (このIDを非表示/違反報告)
アゲハ??@ペテ神(初心者)#エタフェア?色担当(プロフ) - デデデデデデデート……… (2022年11月13日 17時) (レス) @page12 id: cce2e65e12 (このIDを非表示/違反報告)
ルーチェ(プロフ) - 全然おk クロロさんの動かすうちの子たちも見てみたいしね〜。 (2022年11月11日 16時) (レス) id: b38fd54f9d (このIDを非表示/違反報告)
クロロフィル@深緑の指揮者/あるりーす(プロフ) - ルーチェさん» 勝手にオリキャラ動かすけどおけ?() (2022年11月11日 16時) (レス) id: e7c7774a04 (このIDを非表示/違反報告)
ルーチェ(プロフ) - じー・・。(仲間になりたそうにこちらをみている!) (2022年11月11日 15時) (レス) id: b38fd54f9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:No.
作成日時:2022年11月5日 17時