走れ、登れ、駆け上がれ ページ8
攻撃をかわしつつ、ひた走るマールドと巧。
すると…
「おいおいマジか、これは大分死ぬぞ」
「うわっはぁ…」
彼らの目の前に広がるは、どこまでも上へと続く無限階段。
既に上の方には絶望して座り込む人が何人も見える。
化け物もペースを上げてきている。
ここで犠牲が大量に出るのは自然なことだった。
それぞれに勢いのまま上りだす。
「おーおーこれいつまで続くんだ?」
「知らねぇ。どっかにあるゴールまでじゃね?」
平然と話しながら走っている二人だが、実際はマールドはバリアを足場に宙を駆け、巧がそれを利用して次々跳躍している。
明らかに常人とは思えない速度であり、ここで化け物から一気に距離を取った。
「…随分手馴れてんな。なんかこういうことする機会あったのか?」
ふと疑問を覚えたマールドが質問するが、帰ってきたのは、
「こんなもんゲームで息をするようにやってるわ」
ただそれだけの余裕たっぷりな言葉だった。
「…そうか」
それだけ返し、更に加速していく。
当然巧も後を追い、速度をどんどん上げていく。
――――――――――
「…今何人位残ってるんだろうな」
しばらく走り続け、辺りを走る他の参加者も随分少なくなってきた。
しかし…
「知らんわ。そもそも最初何人いたかとかもわかんねーしよ」
そう。
最初の参加人数があまりに多すぎていちいち覚えていられないのだ。
故に、今残っているのがどれ程か、彼らには知る由もない。
…ただ愚直に走り続けること以外考える必要がないとも言うが。
「先頭はどこまで行ってんだろうな」
「…階段くらいは突破してんじゃないのか?知らないけどさ」
「…暇だなぁ…ゲームしてぇ」
「こんなとこまで来てゲームする輩がどこにいるんだよ…はぁ…」
しかし事実は小説より奇なりとはよく言ったもので。
実際にいるのだ。
それも先頭に約二柱の神が。
そしてそれがマールドの知り合いであり胃痛の要因の一つであることも、これから先、かつてよりも過酷な混沌が数を増して待っていることなど、今のマールドには知らないことなのであった。
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ルーチェ(プロフ) - しゅき() (2022年11月4日 16時) (レス) id: b38fd54f9d (このIDを非表示/違反報告)
アゲハ??@ペテ神(初心者)#エタフェア?色担当(プロフ) - 好き()っていうか授業中に読んだら吹いた() (2022年11月2日 11時) (レス) @page17 id: 759cc49492 (このIDを非表示/違反報告)
クロロフィル@深緑の指揮者/あるりーす(プロフ) - 待ってなんでオリジナル5位入ってんの…? (2022年10月21日 22時) (レス) id: e7bd3124a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時:2022年10月12日 20時