*一転攻勢 ページ7
再び撃退に成功した二人だったが、一つの違和感を感じ取っていた。
「…?遅いな」
「そろそろロードされてた筈なんだが…まさかもう諦めちまった…なんてことはないか」
「だな」
暫く待ち続けると、漸くロードが行われた、のだが…
「…ッ!?」
「なっ…!?」
今までとは比べ物にならない程の凄まじい殺気と威圧感が二人を襲う。
ニヤリと笑って無造作に降られた鋭いナイフ。
その風圧は、凄まじい突風となって二人を襲う。
「ぐうっ…!」
「マジか…」
咄嗟にそれぞれの魔法で防ぐ。
明らかに何かが変わった。
それだけが分かる。
緊迫感が辺りに満ちる。
化け物はナイフを一舐めし…
一気に跳躍する。
「!はあっ!」
即座に魔法を展開し、弾幕を張る。
しかし何事もないかのようにそのまま突っ込んでくる。
「…死んで、いない、だと…?」
「オイオイ…正気か?笑えないぜ…」
そう言って乾いた笑みを浮かべるサンズの目には、その化け物の罪の重さが映っていた。
サンズも骨を大量に放つも、無視して突っ切ってくる…
、
「「「!?」」」
それにとっての最大の誤算は、サンズの与えることになるダメージ量が異常なまでに絶大なものに変わったことであろう。
それまで涼しい顔で受けていたそれはサンズの骨にぶつかった瞬間、凄まじい痛みにのたうち回る。
*犯してきた罪の数々が背筋をつたう。
「よく分からんが…今がチャンスだな!」
Aの放つ雷がそれに直撃し、その命を散らした。
「はは、そういうことかい…正に自業自得ってやつだな?」
種明かしするならば、それはサンズの特殊能力にある。
Karmic Retribution…罪の報いとでも言うべきそれは、相手の犯してきた罪を利用して相手にダメージを与えるものである(、と考察されている)。
特に虐殺の限りを尽くし、LOVEが最大限高まったプレイヤーに対し、攻撃力1ながらも大量のダメージを与えられたのはこの為でもある。
そして、何故今このタイミングでサンズの攻撃力が跳ね上がったか。
それは単純。
禁忌とも言える
所謂チート、という部類であり、それはこのゲームのデータをいじくってまず武器と防具を本物のナイフとロケットに変更、更にHPを999に変更したというものだ。
既に完成されたゲームを改造するのはゲームプレイヤーとしては超弩級の犯罪行為である。
そしてその罪がKRに反映された、ただそれだけのこと。
24人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時:2022年9月9日 18時