*中腹 ページ6
もう何度目だかわからないロードを行い、再び二人と対峙する。
「よう、これで何度目だったか…あぁそうだ。395回目か。あと五回で400の大台だな」
「ここまでやってるのに未だに殺せないのか?聞いて呆れるな」
ほざけ。
どうせいつかはこちらが勝つんだ。
耳を貸す必要はない。
いつものように攻撃を躱していく。
ここら辺はもう慣れたものだ。
攻撃は当然弾かれるので最速で入力する。
「さて、もうとっくに飽きてるんだろうが…時空に大規模な歪みが大量に発生しているらしい。
時間の流れがめちゃくちゃに飛んで…止まって…また動いて。」
「そして突然、全てが終わりを迎える。
…お前の気紛れ一つでな。」
殺気と共に放たれる矢と骨の雨をすり抜け、炎弾を切り裂いて先へ進む。
そして廊下の奥の方へと叩きつけられる。
跳躍して生えてくる骨を躱し、再び距離を詰めに掛かる。
「俺はとっくに諦めたさ。…コイツが来るまではな。」
そう。
目の前にいるAというイレギュラーのせいでここまで苦戦を強いられているのだ。
コイツさえいなければ…!
「今まではお前に弄ばされるしかなかった。俺達には何の対抗手段も有りやしない。所詮はプログラムなんだ。」
「でもな…僕という、プログラムを超えた存在が現れた。僕なら、この負のループを断ち切れるのかもしれない。
…そう思うからこそ、今ここでお前を食い止めて見せる。」
そう言い放った直後、電撃が迸り、体を焼く。
まだこの攻撃を避ける方法が見つからないので、何とか堪える他無い。
その状態で、次の攻撃を一切の被弾無く突破出来るかがまず鍵となってくる。
弾き、逸らし、すり抜けて。
何とか突破に成功し、切り付ける。
当然防がれるが…
「それにな、俺にもようやく守らなきゃいけない物が守れるかもしれないって分かった以上…
もうこのまま黙って見ている訳にはいかないんだ。出来ることは何だってやってやるさ」
会話の最中にも当たり前のように攻撃が飛んでくる。
回復を挟もうが、アイテムが心許無さすぎるのに加え、HPの低さが仇となり、直ぐに瀕死に追い込まれてしまう。
次々飛び出す骨の柱に、大量の弓矢と炎と雷。
あまりに多すぎる物量を前に、現状はこのHPではどうしようもないという結論が出てしまった。
何度やってもこのターンで死んでしまう。
やはりここは諦めるべきか…?
、
いや、何故自分はこんな相手にクソ真面目に戦おうとしているのだ?
そう考え、ゲームのファイルの方を開き、キーボードを操作していった…
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時:2022年9月9日 18時