＊エピローグ ページ18
｢今日は素敵な日だな。花は咲いてる、小鳥たちもさえずってる。
こんな素敵な日には…俺達みたいなのは…
のーんびり、花見でもするか?｣
｢何そのセリフ｣
そう言うサンズの目線の先には咲き乱れる桜の花があった。
ケチャップを吸い込み、喉に流し込む。
そんな彼に呆れているのは彼の弟、パピルスだ。
｢あっ、いたいた!おーい!｣
｢おっ、来たなフリスク｣
声を上げて駆け寄ってきたのはフリスク。
ニンゲンとモンスターの架け橋として日々働く親善大使だ。
｢パピルス、はいこれ!｣
｢ウヒョウ!りんごジュースだッ!｣
｢ありがとな。パピルスも嬉しそうだ｣
｢えへへ…｣
サンズがフリスクの頭をなでる。
幸せそうだ。
｢薄汚い手でフリスクに触るなクソ骨｣
そう言うのは猫耳を生やしたモンスターの少女。
｢おうおうやる気かクソガキ?｣
｢望むところだ｣
｢ちょっと、サンズ!キャラ!せっかくのお花見なんだから喧嘩しないで!｣
｢｢すみません｣｣
そう、この少女はキャラ。
何故か彼女が地下に落ちてきた日に巻き戻ったことで計画を破棄、自死を選ばずに寿命で亡くなった。
魂は誰にも吸収されずに体と一緒に保存され、アルフィーがケツイを注入したバターカップにその魂が宿った結果、何故か見た目は殆どそのままに猫耳が生えてしまったもののモンスターとして転生したという訳だ。
｢ほう…サクラというのはやはり綺麗だなッ！｣
｢そう…だね!アニメで見るよりずっと綺麗!｣
続いてやってきたのはアンダインとアルフィー。
地上へ出てから交際を開始、相も変わらずヲタ活中だ。
｢あぁ…本当に落ち着くね…｣
｢そうね…我が子達!ご飯を食べましょう!｣
｢はーい!｣
ドリーマー夫妻が並べる弁当にフリスクとパピルスが真っ先に反応する。
そして。
｢よう…って、僕が最後か｣
｢あ、やっときた!｣
｢よう、元気か、マールド｣
｢あぁ!｣
最後にやってきたのは左目に眼帯を付けたニンゲン。
マールドだ。
モンスター達を地下世界から解放するのに一役買ったニンゲンだ。
｢しかし…やっぱり平和って良いもんだよな｣
そう呟くマールドは一つ、嘗ての会話を思い出す。
―――あ、それでなんだけど、キミを新しくAUのキャラとして登録しなきゃだから、名前を付けさせてもらってもいいかな?
あぁ、はい
マールド、なんてどうかな?
へえ?因みに由来は?
…まぁ…うん。それでいいか
オッケー！さぁ、ここからは君の物語だよ!―――
あれから二年。
ようやく彼らは本当の平穏を手に入れた。
これは現実となった夢物語。
その一幕である。
DREAMSTORY
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作者名：クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時：2022年9月9日 18時
