＊連絡、疾走 ページ2
走りながら、携帯の番号を押していき、ある人物を呼び出す。
ﾌﾟﾙﾙﾙ…
『もしもしッ、おれさまだぞッ!どうしたんだ、ニンゲン?』
｢今そっちに向かってるからサンズを呼び出してくれ｣
『ニェ?サンズを?わかったぞ!なにかつたえることはあるか?』
｢あー、そうだな。“リセット”とだけ伝えておいてくれ｣
『“リセット”だねッ!おれさまわかった!』
｢じゃあな!｣
電話を切り、走ることに集中する。
以前のように、携帯にはしれっとアルフィーが追加してくれた異次元ボックス機能は無い。
故に、設置されている方のボックスを使用しなければならない。
手持ちのアイテムはバタスコと拾ったカップ麺に、何故か入っていたイヌと秘宝。
そしてボックス内にはいつものナイフとロケットがあった。
｢…一応装備しとくか｣
*殺意が みなぎった。
ロケットから鼓動が感じられる。
キャラの魂によるものだろう。
少し走り、川へと出た。
本来なら橋渡しのボートに乗るところだが…
｢そんな余裕はねェ!｣
宙にバリアを生み出し、無理矢理足場にして蹴り進む。
｢頼む…間に合え…!｣
――――――――――
同刻、サンズはホットランド入り口にいたのだが…
｢…ﾁｯ｣
サンズが小さく舌打ちを鳴らす。
するとちょうどタイミング良く電話が掛かってくる。
｢お?パピルスから…?｣
不思議に思いつつも電話に出る。
すると聞こえてくるのはやはり騒がしい兄弟の声。
『兄ちゃんッ!今どこにいるのッ!』
｢あー、今はホットランドだぜ?心も“ほっと”温まるからな?｣
『もう!今そんなこと言ってるばあいじゃないのッ!』
｢へいへい｣
ぷりぷりと怒る様子が声だけでも容易に想像できる。
そしてパピルスは話を切り出した。
『えっとね、ニンゲンがサンズと会いたいんだって!』
｢へぇ、アイツが?｣
『うん、えっと、スノーフルに今向かってるって。あと“リセット”伝えてって言ってたよッ!』
｢…“リセット”?今“リセット”って言ったか?｣
サンズの声色と表情がみるみる変わる。
『そうだぞ?』
｢…わかった。すぐに向かう。｣
『おぉ!兄ちゃんがうごいたッ!おれさまはほこらしいぞッ!』
パピルスの電話を切り、一緒に動かしてきた小屋ごと再びスノーフルへと戻る。
｢…急がなきゃ、だな｣
その目は、いつになく真剣であった。
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作者名：クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時：2022年9月9日 18時
