*絶無の希望、一筋の光 ページ1
「はっ…?」
おかしい。
自分は地上に出てからニューホームのベッドでフリスクと寝た筈。
なのに…
どうして、ゴミ捨て場にいるんだ?
そう考えてふと一つの存在しない筈の記憶が溢れてくる。
舞台は例の廊下、ニンゲンのナイフがサンズの体を切り裂いた時だった。
―――サンズ…!そんな…!
ニンゲンは呟き、ナイフを取り落とす。
彼女がやったのだろうということは容易に想像できるが、同時にそれは彼女の意思ではないのだとも読み取れる。
―――…はは…マジかよ…
諦めたように、またサンズが苦笑いを浮かべる。
その口から血を流しながら。
―――嫌だ…いやだよ、サンズ…!
―――どうやらここまで、らしいな…ごめんな、フリスク…
そう言い残し、サンズの体は塵となって消える。
後には号泣するフリスクの姿だけが残された…
そして、まるで時が戻ったかのように再びフリスクの握るナイフがサンズの胴を深く切り裂く。
―――…お前…相当病んでるな…
―――サンズ…
泣き崩れるフリスク。
その目の前で、またしてもサンズは塵と化す。
何度も。
何度も。
何度も。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。
そこで、記憶は途切れた。
最早、彼には言葉すらも出てこなかった。
すぐに、全速力で走り始める。
その手に、携帯を携えて。
激情を抱え、Aは一直線に走るのだった。
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時:2022年9月9日 18時