＊SAVE THE WORLD ページ42
｢全て思い出したようだな｣
―――！あぁ。
思い出した。
何もかも。
この世界での思い出も、大切な友達も。
そして…
｢さて、今お前がやるべきことはわかっているな?｣
―――うん。
｢そうか。なら、行ってこい。アイツを…アズリエルを、救ってやって来い。｣
彼女がそう言うと、意識が少しずつフェードアウトしていく。
その中で、彼女は隠してはいるものの、どこか悲しそうな表情を浮かべていた。
『わかった。行ってくるよ。
キャラ。』
――――――――――
＊Aの きおくが よみがえった。
＊しかし…
＊…まだあとひとり すくうべきものが いるようだ。
＊しかし だれを…?
＊…そうだ。
＊てをのばし そのなまえをよぶ。
｢｢アズリエル｣｣
｢なっ…!?｣
一方は外から、もう一方は心の中から。
二つの声がアズリエルに響き、ある一つの記憶が呼び覚まされる。
それは、かつてニンゲンが落ちてきた時の記憶。
幸せで、希望に満ちた、大切な記憶。
騒がしくも平穏な日常。
今まで忘れていた、決して忘れてはならない大事な大事な思い出。
｢な…お前…今おれに何をした…?
この感情…一体おれは…?｣
｢｢｢アズリエル｣｣｣
アズゴアとトリエルも呼び掛ける。
かつて亡くした、暴走する我が子に向けて。
｢や、やめろ…来るな!ボクは一人でいいんだ!｣
必死に弾幕を放つ。
しかし三人は進み続ける。
｢｢｢アズリエル｣｣｣
ただ、その名を優しく呼び続ける。
｢ねぇ…嫌だよ…このまま終わっちゃうなんて…きみたちが勝ったら、ボク…｣
｢アズリエル…｣
それまで俯いていたアズリエルが顔を上げる。
そこには涙が浮かんでいた。
｢だからお願い…!ボクに勝たせてよ!!｣
その両手に込められた魔力の奔流。
その光がフリスクたちを飲み込む。
しかし、三人は歩みを止めない。
例え体力が尽きかけようとも、絶対に倒れずに進み続ける。
光が収まっても、彼らは立っていた。
その身はボロボロだったが、その姿からはどこまでも強く、固い決意が感じ取れた。
ぼろぼろと泣き崩れるアズリエルに、そっとハグをする。
背中を優しく叩いてやると、アズリエルも抱き返してくる。
｢父さん…母さん…ごめんなさい…｣
｢…偉いね。ちゃんと謝れて｣
あたりには暫く、一人の少年の鳴き声だけが響いていたのだった。
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おかっぱかっぱ - ハァー、やっぱいつ見返しても神。 (10月23日 22時) (
レス) @page13 id: 8906565ee4 (このIDを非表示/違反報告)
蛙飛び込む - くっ・・・好きぃぃ やっぱすげぇや文才力。小説のアンテも良きやねぇぇケツイぃっぃぃぃ (2022年8月25日 20時) (レス) id: 9cfc2f61bc (このIDを非表示/違反報告)
ラヌア(プロフ) - 文才がありすぎる………！続きも待ってる、頑張ってください！ (2022年8月12日 18時) (レス) @page16 id: 2b4ff7853b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロロフィル＠深緑の指揮者 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時：2022年7月30日 14時
