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秘密のお話、ケツイの記憶。 ページ4

サンズに一旦どこかへ離れるよう催促され、ホテルのロビーに立つA。

「お前もか」
*全く…あの骨野郎…
「珍しいな…」
*まぁ…あれもフリスクには必要なことだ。仕方ないさ。
*その役目がヤツ以外果たせないというのが一番イライラするが。
「落ち着け」

――――――――――

「さて…あいつ等は行ったな。」
「サンズ…?」
「単刀直入に言おう。アンタ、覚えてるのか?」
「えっ…?」

サンズの雰囲気があからさまに変わる。
驚くフリスクを他所に、ぽつり、ぽつりと話し始めた。

「…オイラ…いや、俺は何もかも諦めてた。アンタが来るまではな。
なーんにもやる気が出なかったし、やる事為す事全部無駄になっちまう。…でもな、アンタと出会ってから、俺は少し変わった。俺は相変わらず怠け者だが、色々頑張ろうとしたんだ、俺なりにな。」
「サンズ」

フリスクが呼びかけるも、サンズは溜息を一つ吐いて続ける。

「まぁ…駄目だったけどな。…フリスク、一つだけ言わせてくれ。」
「…何?何でも聞くよ」
「約束、今まで果たせなくて済まない。守ってやれなくて…本当に済まない…」
「…サンズは…サンズは悪くないよ。悪いのはあの人だもん」
「へへ…なぁ、もう一度聞こうか。アンタ、本当は覚えてるんだろ?」

…フリスクの、ずっと閉じられっぱなしの目が、開かれる。
その目は決意に満ちて、黄色く、美しく輝いていた。

「…うん。今まで隠しててごめんね」
「お互い様だ。アンタだって悪くないんだ。…ホント、世界って残酷なもんだ。」

どうしようもなく残酷な定め(〈RPGのNPC〉としてのプログラム)は、彼らにとっての最大の壁であり、今までサンズが諦め続けてきた難題であった。

しかし、チャンスは唐突にやってきた。

「でもな。アイツが…Aが来てから、色々変わりそうなんだ。アイツは元プレイヤーとして、SAVEとLORD、もしかしたらRESETも感知出来る可能性があるんだ。」
「…信じるしか、無いんだね。」
「本当、酷なこった。アンタが何度も何度も痛い思いをしなきゃ、アンタは…俺たち皆、救われない。全く、酷い話だよ。…でもまぁ、やっと一筋の希望が見えてきたんだ。アイツに託すしか無いな。」

フリスクは微笑む。
強い決意を胸に抱いて。

「大丈夫。私も頑張るから。皆で負けないように、頑張らなくちゃね!なんてったって私は『親善大使様』なんだから!」
「へへへ…やっぱアンタサイコーだな。…話は以上だ。ありがとな。」
「うん!」

*コアへの とつにゅう。→←*サンズ。



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おかっぱかっぱ - ハァー、やっぱいつ見返しても神。 (10月23日 22時) (レス) @page13 id: 8906565ee4 (このIDを非表示/違反報告)
蛙飛び込む - くっ・・・好きぃぃ やっぱすげぇや文才力。小説のアンテも良きやねぇぇケツイぃっぃぃぃ (2022年8月25日 20時) (レス) id: 9cfc2f61bc (このIDを非表示/違反報告)
ラヌア(プロフ) - 文才がありすぎる………!続きも待ってる、頑張ってください! (2022年8月12日 18時) (レス) @page16 id: 2b4ff7853b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/  
作成日時:2022年7月30日 14時

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