転生したらブースターで嫁ポケのリーフィア（擬人化）に拾われたと思ったらハンター目指すことになった件 (ページ3)

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初めてのエンカウントページ3

『えぇ…ちょっ…えぇ…』

黄昏るブースター。
しかし少しづつ冷静な部分が戻ってくる。

――今の自分には何ができる？

ブースターとして転生したのなら、何か“技”が使えるだろう。
それを確かめるべく、彼はブースターが使える技を片っ端からピックアップしていく。

“体当たり”…多分成功。
“鳴き声”

「ブースタッ！」

…どうだろうか。

“火の粉”
…少し力を籠めると小さな炎が飛び出す。
成功のようだ。

次々と実験を繰り返していく。

―――――

『たったこれだけかよ！』

結局使えたのは最初に試した三つに加え、“尻尾を振る”“砂掛け”程度だった。
低レベルで覚える、序盤以外ほぼ使えない技群である。

『マジでどうしろと…ん？』

野生故の勘だろうか。
長い耳が鋭く何かの接近を察知した。

何が来るかと身構える彼の前に、ひょっこりとそれは姿を現した。

「ふぅ…綺麗だなぁ…」

およそ6歳ほどと思われる少女。
柔らかく、優しい雰囲気の彼女に、ブースターは何かを感じていた。

違和感の正体を確かめようと一歩前に進み出る。
すると。

ﾊﾞｷｯ

『「…！」』

運悪く足元に落ちていた枝を踏み抜いてしまい、大きな音を立ててしまった。
少女が近づいてくる。
いつでも逃げられるように体制を整えた、その時だった。

「…ブー…スター…？…！」

その名を告げた瞬間、少女の顔が驚きに染まる。
その顔を見て、やはり何かを感じて動きを止めるブースター。
しばらくの状態が続いたが、やがて少女の顔が困惑しつつも穏やかな笑みに変わった。

「えっと…何故貴方がここにいるのかは知りませんが…とりあえず、一緒に来てくれますか…？」

少し考えた後、ブースターは彼女に着いていくことにした。
自身が感じる違和感を確かめるために必要だと考えたからだ。

「着いてきてくれるんですね。では、私の家まで戻りますよ」

少女は歩き出す。
少女らしからぬ丁寧な言葉遣いにまたも違和感を感じるも、とにかく素直に従うことにしたのだった…