転生したらブースターで嫁ポケのリーフィア（擬人化）に拾われたと思ったらハンター目指すことになった件 (ページ2)

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はじまりページ2

静かに揺れる木の音が響く森林の中。
そこに明らかに自然な環境に見合わない、派手な姿をした生き物が横たわっていた。

『ん…ん？』

―――ここは…？

目が覚めると全く知らない場所。
何が起きたのか全く理解できないが、少なくともここが自分の住処ではないことは理解していた。

―――えっと、俺は…ん？

思い出せない。
思い出そうとすると頭の中にもやが掛かる。
唯一思い出せたのは…

―――pkmn、かぁ…

ともかく、自分がそのゲームを死ぬほどやりこんでいたガチ勢だということは覚えていた。
そして連鎖するように、恐らくは前世で培ったであろうデータが雪崩れ込んでくる。
しかしそれらはすうっと馴染み、自然に自分の記憶であると定着した。

―――とりあえずは、今自分がどんな状況か把握しなくては…

そう思い立ち、すっくと立ちあがる。
すると明らかに違和感を感じた。

―――視界が低い…ってか四足歩行、だと…⁉

立ち方、歩き方、低い視界に、視界に移る赤い脚。

―――まさか…！

嫌な予感がした彼は何か自分の姿を見ることのできるものを探す。
幸いにも雨が降ったあとらしく、その辺に水溜りができていた。
早速のぞき込む。
すると、そこには。

真っ赤な肌に長い耳、鋭い眼光ともふもふな首回りの毛。そして同じくふさふさな尻尾。
間違いない。
水面に映っていたのは…

『ブースターかよ…』

イーブイという種族の数ある進化系のうち、炎を操るブースター。
特徴はやはり高い物理攻撃力だが…
長い間炎タイプの強力な物理技、『フレアドライブ』が獲得できず主力技はタイプ不一致で、無駄に特殊火力もそこそこあるにも関わらず、低い素早さで上を先手を打つことすら許されずに薄い物理装甲を貫かれ。果てにはまともな攻撃技も無ければ特性も炎タイプの攻撃を吸収して炎技の威力を上げるといった微妙な効果。
ネットでは同じようなことで『唯一神』ともネタにされている伝説、エンテイと関連させて『唯一王』というあだ名が付いてしまったのだ。
一応最近ではフレアドライブを習得したものの、反動が大きいため、体力も少ないブースターが撃っても高火力ではあるものの、自分がやられてしまうといったこともよくある。

要するに不遇キャラである。

『どうしろってんだよ…』

彼が絶望してしまうのも無理は無かった…