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世界の歌姫に花束を 48 ページ5

止めようとした瞬間
ウタちゃんが一気に力を入れて
バキッと音がした後、人参が粉砕して
あちこちへ飛び散った



「あらあら」



飛び散った人参が顔面に直撃する前に
ロビンさんの能力によって
私とサンジさんは守られた



「ありがとうございます・・!」


「ありがとう、ロビンちゃん!」


「ご、ごめんね・・・3人とも」



しょぼん、と結われた髪が下に落ちて
手に持っていた包丁をまな板の上に置いた



「大丈夫だよ、ほら、人参返すね」


「うー・・・ありがとう」


「ウタちゅわ〜ん!!俺が教えるよ〜!!」


「うん、ありがとう・・!」



今度はサンジさんの傍で
恐る恐る野菜を切っていくウタちゃんが
健気で、可愛くて、思わず笑みが零れる



「ウフフ、貴方たち姉妹みたいだわ」


「どっちがお姉ちゃんに見えます?」


「Aね」


「よっしゃ!」


「な、なんか、言われてる気がするぅ・・・」


「妹みたいって話だよ」


「私が?!嘘でしょ!」



ウタちゃんはこちらに視線をずらさず
すっと、人参を見つめたまま
包丁を恐る恐る動かしながら返事をする
その様子が可愛かったので
ロビンさんと一緒に微笑みあった



料理の下ごしらえが
もう少しで終わりそうな時
バンッと扉が開いた



「おーい!!
嵐が過ぎたから甲板に出て来いよ!」



ルフィ君が目をキラキラと輝かせながら
私たちにブンブンと手を振ってくる
ん?いや、手が伸びてきた



「ルフィ!危ねぇだろ!」



サンジさんが手早く私たちの手から
包丁を取ってくれたおかげで
私たちは怪我無くルフィ君の伸びた腕で
ぐるぐる巻きにされて引っ張られた



「わーーー!!」


「ルフィーーー!!」


「しししっ!!お前らも来いよ!」


「えぇ、勿論よ」


「ルフィ、レディたちに怪我させるなよ」


「分かってるって!」



やっぱり、エースさんと兄弟だ・・・
持ち方が似ているもの・・
彼に引っ張られて甲板の芝生に降ろされると
パァンとクラッカーの音が響き渡った



「サニー号へようこそ!」


「歓迎するぞ〜!」


「わぁ・・・ありがとうございます!」


「ありがとう〜!」


「さて、と・・・・
二人とも、ざっとだけど
船内を案内するからついてきて!」


「ナミィ!!後でいいじゃねぇか!
今は遊ぼうぜ!!」


「はいはい、二人の案内が済んだらね!」



ルフィ君が少し残念そうに肩を落としたが
またすぐに笑顔に変わって
後でな〜、とブンブンと手を振って
船内へ向かう私たちを見送ってくれた

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作者名:ロモォコ | 作成日時:2023年8月4日 23時

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