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世界の歌姫に花束を 76 ページ33

消毒液と、海の香りがする
ぱち、ぱち、とゆっくり瞬きをして
体を起こすと、そこは・・・・
白ひげ海賊団の医務室で、すぐ隣には
額に包帯を巻いたマルコさんが眠ってた

ふと、左手が動かせなかったので、見てみると
彼の右手にしっかりと握られていた



「・・何が、あったんだっけ・・?」



確か、親父のこと止めようとしたら
黒い風みたいなものに纏われて・・・
その後の記憶が全然ない・・・
少し混乱していると、シャッとカーテンが開いた



「おはよ〜、っていうか・・
おかえり!!A!!」



ナースさんはいつもより気分高めで
私に抱き着いて、海の香りを感じ取ると
すぐに私から体をどけた



「やだ〜、まだベトベトする〜
シャワー早く浴びて来てよ〜」


「は、はいはい・・・薄情者め・・・
・・・私、海に落ちたんですか・・」


「うん、わさびの背から落ちて・・
マルコ隊長が助けようとしたら・・
隊長と一緒に、海へ落ちたのよ〜?

ナミュール隊長が気が付かなかったら
危ないところだったんだから!!」


「マ、マルコさんが!?
・・・もう・・・」



私は隣で寝息を立てているマルコさんの
頬を優しく撫でた
能力者なんだから、無理しないで



「マルコ隊長さ〜・・・
Aのこと、全然離さないの!
だから一緒のベッドにしたよ」



「・・・ふふ、分かりました
そうだ、親父たちは!!?」


「あー、今ね・・・・
うーんと、色々あって・・
麦わら達と、赤髪さん達と、宴してる!」


「良かったぁあ・・・」


「着替えたら早くおいでね〜
私は先に行ってるわ」



ナースさんはウインクをして
再びカーテンを閉めると
医務室の外へ出て行った
・・・・耳を澄ませると、確かに
賑やかな声が、外から聞こえる

良かった・・とりあえず・・・・
大戦争はなくなったあ・・・

ほっと胸を撫でおろし、ふと隣の
マルコさんの寝顔を見つめる



「・・・怪我か、珍しいね、マルコさん」



包帯の上から、軽くちゅっとキスを落とす
すると、ぎゅっと左手を握る力が強くなった



「マルコさん、起きてるの?」



くすくす、と笑いながら
彼に問いかけてみると
口元がくっと緩んで、そしてゆっくりと
マルコさんの青い瞳が見えた



「・・・おはよう、マルコさん
ありがとう、守ってくれて」


「おはよう・・・
・・・いや、受け止めるつもりが・・
一緒に海に落ちちまった・・悪い・・・」



苦手な海へ落ちたせいか
彼はどことなく、いつもよりも
元気がない様子だった

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作者名:ロモォコ | 作成日時:2023年8月4日 23時

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