世界の歌姫に花束を 74 ページ31
黒い風が、わさびとAの方へ向かう
まずい・・・!!!
追いかけようと、麦わらから目を離した隙に
彼は大きな手で俺を掴み、地上へ叩き落す
「っぐ、う・・・A・・・!!!」
上空を見上げながら、不死鳥になり
黒い風に纏わりつかれるわさびの姿と
暴れ回る彼の背中から、海へと真っ逆さまに
落ちていく、Aが
考えるより先に、体が動き
Aの手を掴み、小さな体を抱きしめ
波しぶきをあげ、海へと落ちた
----------------------------
中々地震が止まず
様子がおかしい、とブルックさんと一緒に
隠れながら激しい音のする方へ向かう
そこにはロビンさん達もいて
彼女たちは誰かと何故か戦っていた
さらにエースと親父さんも
家族同士で戦っている
でも、そこにAの姿は見えなかった
「ど、どうして・・・?!」
「ウタさん・・・・!
サンジさん達が戦ってるのは・・
ルフィさんでは!?」
「・・・あの、白いのが、ルフィ・・!?」
猶更、どうしてルフィとみんなが!?
ルフィをじっと観察していると
彼の背後に黒い楽譜が見えた
もしかして、と思い
親父さんの背後もじっと見つめる
「・・・・黒い楽譜・・!
ブルックさん、見える?」
「いえ・・・私にはさっぱり!」
「あのね、二人の背後に黒い楽譜が見えるの
操られてるんだと思う・・」
私にはわかる、一度経験したもの・・!
操ってる奴の正体は魔王
楽譜もないのに、いるのか知らないけど
私は懐に隠しておいた指揮棒を
勢いよく取り出して、草陰から姿を現す
「ウタさん!!危険ですよ!」
「大丈夫!!私は・・・」
ぎゅっと、指揮棒を握って、ルフィを見る
すると彼はこちらに気が付き
真っ赤な瞳で私を見下ろした
「私は、最強だから!!」
感覚的に指揮棒を振るうと
ルフィの動きは、私の指揮と連動している様子で
ぐるんぐるんと、同じように振り回されている
「わ〜〜〜〜!!!」
「どうしよう!この後って!」
「ウタさーん!!そのまま白ひげに!!
ルフィさんをぶつけるんです!」
「よーし・・!!」
ぐるぐる、とルフィを振り回しながら
後ろでエースと戦っている親父さん目掛けて
「いっけぇええええええ!!!!」
「うっひょぉ!!?」
「ぐぉ!!」
「ん!?なんだァ、親父!!参ったか!!?」
ボーン、と鈍くて大きな音を立てて
運よく、二人の頭同士をぶつけることができた
二人はそのまま砂浜にバタッと倒れ込み
操っていた黒い楽譜は、二人から離れる
72人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ロモォコ | 作成日時:2023年8月4日 23時