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世界の歌姫に花束を 61 ページ18

すばしっこい何かは霧の中
私の目の前に飛び掛かってきた



「Aさん!!」


「わっ!?」



間一髪でブルックさんの剣に守られる



「ありがとう・・!」


「ヨホホ!お安い御用です!
Aさん、ウタさんが心配です・・
正体不明の何かは私に任せて
貴方はウタさんを追いかけてください!」


「ブルックさん・・・!」


「大丈夫、私も彼らを撒いたら
すぐに合流しますから・・・」



ね、と笑顔でブルックさんは言って
私はぐっと拳を握りしめ
ウタちゃんが走った道を見据えた



「ウタちゃん連れてすぐに戻ってきます!」


「ヨホホ!どちらが早いか競争ですね!」



私が走り出した瞬間、何かが私を狙い始めるが
攻撃は全てブルックさんが防いでくれた



「女性に乱暴は許しませんよ!
まずは私から倒しなさい!!」



彼が言葉を放った瞬間
攻撃の的がブルックさんに絞られる
急がなくちゃ・・・!!!



-----------------------



ピアノの音を追いかけて、辿り着いたのは
・・・・なんだか、懐かしい匂いがする家
もう壊されてボロボロの扉を開け、中に入る



「・・・・ここ、知ってる・・
なんでだろ・・」



家の中を歩き進んでいくと
黒いピアノが窓辺に置いてあった
駆け寄って、ピアノに触れようとした途端



「ウタちゃん!!」


「ひょえっ!?」


息を切らしたAが私の肩を叩いた



「びっくりしたぁ・・・」


「ウタちゃん、さっき何かに襲われたの
ブルックさんが戦って、食い止めてくれてる!
早く合流して一度船に逃げるよ!」


「えっ・・・!?ブルックさんが!
・・・・わ、分かった・・」



Aに手を引かれて、私も家を出ようと
ピアノに背を向けた



『・・・・・待って』


「・・・・ッ誰!?」


「・・・今の声・・」


「Aも聞こえた!?」


「・・・聞こえた、子供みたいな声
・・・・ギャーッ!!?」


「何!?びっくりさせないで!」


「後ろ!お化け!」



Aがお化けと
私の後ろを指さしたので
恐る恐る振り返ると
そこには



「キャー!!おばけぇー!!」


「こっちおいでウタちゃん!
早く逃げよう!!・・あ、あれ?」


「A〜!!早くぅぅぅ!!」


「扉が、開かない・・・!?
何かバリアみたいなのが・・!」


「嘘おぉぉお!?」



二人で、もう駄目だと抱きしめ合いながら
床にへたり込んで目を瞑っていると

頬に、暖かい手が触れた
びくっと体を強張らせると、お化けは



『怖がらせて、ごめんね』



そう謝って、頭を撫でてくれた

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作者名:ロモォコ | 作成日時:2023年8月4日 23時

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