世界の歌姫に花束を 55 ページ12
全隊長と親父で会議をしていると
マルコの電伝虫が鳴った
Aだと全員が期待をしたが
どうやら、彼女ではないらしい
いち早く、電伝虫の目が光っていることに
気が付いたジョズが、手早くスクリーンを降ろし
電伝虫を机の真中に設置して
送られている映像を映し出した
目の前には、なんとAが楽しそうに
ピアノを弾く姿が映し出された
『ヨホホホホ!!ウタさんさすがですね〜!!』
『ありがとう!!』
『Aさんも素晴らしい伴奏ですね!』
『やったあ!ありがとうございます!』
『Aー!!次はこの曲にして頂戴!』
『おっけー!』
『ウタ!!A〜!!!こっち見ろよ!』
『っぶ、あっははははは!!!』
『ちょっとルフィ汚いよ!
ってA笑い過ぎじゃない!?』
『ひ〜ッ、くるひい・・・・ッ』
Aが麦わら海賊団の奴らと
ウタちゃんとも、満面の笑みで
宴に参加していた
・・・・ちょっと、なんだ、このキモチ
モヤモヤするような・・・
なんとも言い難い感情だが、しかし
決して心地よくはない、この感情を
どうやって表現するのかと考えていると
イゾウが煙管から口を外して
フゥと息を吐いた後
「見たことない笑顔だな、A」
「だな・・・なんか、すごく・・・」
「楽しそうだな・・・」
「やべ、なんか悲しくなってきちまった」
「ま、年齢層はあっちの船の方が近いもんね〜」
ハルタがチラッと俺たちアダルトの方に
目線を向けながら、含み笑いで言いやがった
その攻撃が、容赦なく俺たちの心に突き刺さる!
「て、てめぇハルタ・・なんてことをぉお!!」
「俺たちとも楽しそうだしぃ!?」
「マルコも、あんまり見たことないんじゃない?
Aってあんな風にも笑うんだね
良かったね〜、他の男のおかげで
奥さんの新しい一面が見えて!」
「ぐあッ!!!!!」
「マルコーーーーー!!!!」
「ハルタ、よせ、やめろ
可哀そうだ、さすがに」
「最近順調だったからさ
たまには、こういう刺激必要じゃん?」
特に理由のないハルタの暴言がマルコを襲う!
マルコは吐血して、片膝をついた
辛うじて彼は耐えているが、思わぬところから
留めの一撃を喰らう
「そうなのか?俺はよく見るぜ〜
くだらないこと話してる時とか」
「あっバカ!!エース!!」
「んえっ?」
「ぐっは!!!!」
途端にマルコが膝から崩れ落ちて
その場にバタンと、仰向けで倒れた
ちなみに親父も髭が下がるくらい
落ち込んでいたことには誰も触れなかった
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2023年8月4日 23時
