不死鳥で独占欲の強い彼とオタクで冴えない彼女は：番外編 4

狂う 16 ページ28

作戦を練った次の日の朝
打合せ通り、クリエル隊長が
マルコ隊長を誘き出す
その様子を私とエース隊長が
見張っているところだ

いつもなら、マルコ隊長は
部屋まで来た人は必ず
中に招いて、話すはずなのに
今回は扉を背にしてクリエル隊長と話す
・・・まるで本当の鳥みたいに
巣を守るような様子だった


「ってことで、ちょっと武器庫に
来て確認してほしいんだけど」


「・・・・分かったよぃ」


マルコ隊長は少し間を開けて
返事をすると、ガチャンと
部屋の扉を鍵で閉めて
クリエル隊長と武器庫の方へ向かった

完全にマルコ隊長の姿が
見えなくなったのを確認して
さささー、と二人で扉の前に到達する

持ってきたキーピックでガチャガチャと
扉の鍵穴を探ると
そのうちガチャン、という音がして
扉を開けることができた


「いぇーい・・・!」


「ナイス!
・・・・よし、入るぞ」


「はーい」


エース隊長が先行して
扉を開けて部屋の中に入ると
ベッドの上で、ぶかぶかの上着を
一枚だけ身に着けており
首と、手首が枷で繋がれた
Aの姿があった
彼女は何やら電卓と書類を広げていた


「ナ、ナースさん・・!
エースさんまで・・」


「・・・ッA〜〜!!」


「・・・・・・何だよ、その恰好」


ぶかぶかの服から僅かに見える
歯型や、赤い痕が痛々しくて
思わずぎゅうう、と彼女を
抱きしめてしまった


「大丈夫・・・!?
マルコ隊長、いくら何でも酷すぎる!
枷までつけるなんて・・」


早く出よう、と彼女の手を引くが


「待ってください・・!」


「・・・マルコ隊長のこと庇うの!?
あの人やばいよ!
イゾウ隊長にまで手をあげたし
Aにもこんな酷いことを!」


「・・・・!
イゾウさんにまで・・・」


彼女はぎゅ、と私の服を握って
違うんです、と小さく呟いた


「私が先に彼を傷つけてしまったんです!
・・・私が、悪いんです・・・
お願いします、このまま部屋から
出て行ってください・・」


「は、はぁー!?
優しい通り越して馬鹿なの!?
このままじゃA・・
・・・死ぬかもしれないんだよ!」


「これは、私とマルコさんの問題です
・・・・私は大丈夫ですから
早く、部屋から・・・わっ!?」


エース隊長が無言のまま
Aに毛布を被せて
そのまま俵持ちで抱きあげた
彼女は毛布越しに、もごもごと
何か文句を言っているが


「大丈夫だ、ちゃんと
マルコと話をさせてやるよ」


ぽむ、と毛布越しに
エース隊長が
彼女の頭の辺りを撫でる

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