不死鳥で独占欲の強い彼とオタクで冴えない彼女は：番外編 4

狂う 3 ページ20

逆らえなかった、とは言え
致してしまったのは事実
嫌わない、と約束してくれた彼だが
結果的に彼を深く傷つけることになった

事実を彼に伝えた後
私を責めることなく、変わらず
静かに抱きしめてくれている
彼の優しさに、涙が止まらない
私は彼の胸板に顔を寄せて


「ごめんなさい・・・ッ
マルコさんッ・・・ごめんなさい・・!」


何も言わない、責めない彼に
何度も何度も謝り続ける
こんなことで、マルコさんの傷は
癒えることはなくても・・・
私に出来ることは、謝り続けることだ


「A、一つ聞いていいかい」


「っはい・・・・!」


彼はそういった後に
私の頬に手を添えて、耳元に口を寄せる
そして囁くように


「気持ち良かったのか」


問いを聞いた途端
すぐに私は否定の言葉を言った


「気持ち良くなんか・・・ッ
なかったです・・・!
貴方以外の人に抱かれて・・・
気持ち良くなるはずが・・
・・ないじゃないですかッ!」


「・・・じゃあどうして謝るんだ?」


「そ、それは」


答える前に、頬に添えられた手が
ゆっくりと動いて
私の口を覆って強い力で塞いだ


「ンッ・・・・!!」


「俺に申し訳ない、と思ったからだろぃ
・・・俺以外の男に触れられて
感じるはずがない、と思い込みたかったのに
しっかり、感じちゃったんだよなァ

こことか、どうだよぃ」


「ん、んっー!」


服の上から胸の突起を撫でられる
下着もつけていないせいか
彼の手の感触が伝わりやすかった

マルコさん、絶対に怒ってる
怖くて、彼の顔が見れないでいると
ぐっと口を塞がれたまま
顔を上に向かされて、彼の顔を見たとき
ヒュッと喉に冷たい空気が通った


「なるほど・・・
この顔も見られた訳か・・・
・・・知らないと思うから教えておくよぃ」


カタカタ、と肩が震えて
さっきとは違う理由で涙が溜まる

彼の瞳が、いつもと全然違う
まるでナイフみたいに鋭くて
今にも襲ってきそうな獣の、目


「お前の怯える顔はなァ
すげぇ興奮するんだよぃ・・・
今すぐにでも乱したくて堪らねぇ」


ぎゅうと私の顔を掴む彼の力が
さらに強くなる


「たまにいるだろぃ
可愛い生き物見て、食べちゃいたいって奴

プレイフルアグレッション、だったか

そんな感情は今まで理解できなかったがよぃ
今になって、ようやく、理解できた

あ〜ッ・・・、A・・・可愛いな・・
こんなに、震えちまって・・
お前が美味そうに見えて、仕方がねぇ・・ッ」


ガッ、と鋭い牙が
私の首に噛みついた

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