不死鳥で独占欲の強い彼とオタクで冴えない彼女は：番外編 3 (ページ46)

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ちび夢主 14 ページ46

慌ててAの元へ駆けつけて
あやそうと手の伸ばした途端

「きゃっきゃっ!」

「・・・あれ、ご機嫌だな?」

「そう、だな?
よし、今のうちだ!マルコ!」

「あ、あぁ・・・」

再び彼女に背を向けて瞬間

「やあああああああ"!!!
ままあああああああ!!!」

「Aっ、やっぱり・・・!?」

やはり寂しくてぐずったか、と思い
バッと振り返ると
彼女の泣きそうだった顔は一変して

「きゃーはははは!!」

俺の顔を見るなり
屈託のない笑顔が輝いた
・・なるほど、これが本に書いてあった
嘘泣きってやつだな・・・?

「A～、すぐに戻ってくるから」

「あう?」

「髭面のおっさんで我慢しててくれよぃ」

「おめぇもだろ!」

「・・・あーあう」

彼女の小さい頭を優しく撫でて
ちゅ、と額に軽くキスをすれば
Aは嬉しそうに笑った

「またな」

今度は振り返らない決心をして
再び彼女に背を向けて
その場から去ろうとすると

「う、う?
あああう、まあま」

「よしよしぃ～、サッチおじちゃんと
安全な場所で遊ぼうなぁ～」

「まぁま、まーま・・・・」

姿を見なくても分かる
彼女の寂しそうな声が聞こえて
きゅっと胸が苦しくなる
ごめんな、後でちゃんと遊ぶから、と
心の中で謝って、重い足取りで食堂から出た

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今日は運悪く1番隊が出動の日
俺が代ろうかとも思ったが
それでは戦闘場面が若干滞るだろう
ということで、今は

「おじちゃんが相手だぞ～」

「うわぁぁ"～ん・・・!!
ままぁ!!」

「んん～、ママ～」

食堂の奥に新しく作った
赤ん坊用のスペースにAを連れて行き
4番隊の何人かが買ってきた
赤ん坊用のおもちゃや、ぬいぐるみを
ごそごそと持ってくるが

彼女は、ずっと泣き止まず
べそをかきつづけている
どうしたもんか・・・、と悩んでいると
隊員の一人が丁度いい物を持ってきた

「隊長っ、コレ・・
・・・良くないですか?」

「お、おいおいお前天才かよ!」

なんとマルコに似た人形を持ってきた
これはチャンスと思い
俺は、こほんと咳払いして
その場に這いつくばって
姿勢をAに合わせて低くする

そして前にマルコ人形を置いて

「よぃっ、よぃよぃ～
マルコだよぃ～コンニチハ!」

「・・・うぅ?」

「まーま、だよぃ」

「まーま・・・・」

少しだが、ぱぁっと
彼女の表情が明るくなった

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