ちび夢主 13 ページ45
彼女の泣き声が響き渡る前に
立ち上がり、さっとAを抱き上げて
よしよし、と腕の中で揺らす
「ままぁ」
「ン〜〜、ママじゃねぇが・・」
俺の顔を見て、きゃっきゃっと
はしゃぐ可愛い赤ん坊の顔を見れば
それも大した問題ではなくなる
あやしながら、俺は椅子に座り
サッチの作った離乳食を傍の机に置く
「自分で食べるよりも
俺たちで食べさせた方が良いよぃ
ただでさえ、慣れない環境なんだ」
「・・・そうか、確かに
さすがマルコママ、助かるぜ」
「てめぇのママになった覚えはねぇ・・」
「顔怖いわよ、マルコママァ」
「ままぁ、ままー−−!」
「こ、こいつう・・・!!」
茶化す4番隊をぶん殴りたいが
Aの前だからやめておこう
小さいスプーンで少量とり
彼女の口の前まで運ぶ
「それはだな、
出汁は昆布とカツオの王道出汁で
うどんをめちゃめちゃ柔らかく煮て
人参、葱、ほうれん草、大根を
よぉく煮込んでだな・・・」
「あ」
あむ、とAはスプーンを咥える
「おっと、っと」
彼女は慣れたように
スプーンから口を離して
もぐもぐと口を動かした
「あー」
「おお、もっと食べたいかよぃ」
「ままぁ」
「はいはい、ほらあーん」
ぱくぱく、とAはどんどん
サッチの作ったうどんを食べ進める
具を食べ終わったと思えば
出汁まで欲しがったので
よほど、気に入ったらしい
「か、可愛い・・・っ」
「なんて可愛さだ!!」
「嫁に出したくない!!」
「やかましい!
俺の奥さんだよぃ!」
口の周りをティッシュで軽く拭き
ナース長に習ったように
彼女の小さな顔を自分の肩に乗せて
優しく背中をさする
「げぷ、げっぷぅ」
「こりゃ他の料理は食えそうにないか?
一口ずつ食ってもらう手筈だったが・・」
こりゃ、もう食べてはくれないだろうと
残りの料理は保存しておいてくれ、と
サッチに頼もうとした瞬間
外から敵襲が来た、と声が届いた
「こ、こんな時に・・・!」
「サッチ!Aを頼んだよぃ!」
「おおおおう!!
ま、まままま任せとけ!」
動揺するサッチは少々不安であるが
何かあれば、行動できる奴だと信頼して
Aをサッチに預けて、背を向け
飛び出そうとした瞬間
「まーま・・・
まああああああああああ"!!!!」
「よぃぃぃぃ!?」
「よぉぉぉぉぉしよし!
大丈夫だぞ〜A〜」
キキーッと咄嗟に
走る足にブレーキがかかった
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作者名:ロモォコ | 作成日時:2021年12月23日 1時