ちび夢主 11 ページ43
二人は冒険がしたい盛りの
14歳と、12歳の少年たちで
ここに来る度に、俺が経験した
冒険の話を聞かせていた
その影響もあってか、海に出たいという
大きな好奇心は膨れ上がっていた
「やべー超面白そー!!!」
「なぁなぁマルコ!
白い鯨の船に俺たちも乗せてくれよう!」
「まぁまぁ、お前ら二人が
17歳くらいになったら考えとくよぃ」
「えー!!!17〜〜〜!?
俺あと・・5年あるじゃん・・」
「俺はあと3年かぁ・・・長いよ」
「あっという間だよぃ
航海術の勉強でもしてな」
「勉強嫌いだ!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ子供を
相手にしていると
店の扉がカランコロンと
音を立てて開いた
「マルコ、ちょっと抱っこ紐のことで
相談があるんだけど・・・」
「あぁ、今行くよぃ」
丁度、Aも落ち着いたから
店の中に入っても大丈夫だろう
「じゃあな」
「えー!マルコ抱っこ紐するとこ見たい!」
「俺も!」
断っているのにどうにも二人は
引きそうになかったので
仕方なく、一緒に店の中に入ることにした
「あら、アンタたち
ちゃんと手、洗ってきなさいよ」
「はぁい」
少年たちは素直に言うことを聞いて
店の奥へ走っていった
「大きくなったわね、二人とも」
「そうなのよ〜
背もそのうち私を追い越しちゃう
あっと、いけない・・・」
世間話はお仕事の終わりに、と
サラは手を叩いて切り替えて
手に持っていた
3つの抱っこ用の紐を順番に見せてくれた
「これは一般的なベビーキャリア
安定感では3つの中で一番良いわ
赤ちゃんの負担も少ないの」
ちょっとつけてみましょうか、と
提案をされ、Aを一度ナースに預け
カチャカチャと抱っこ紐を体に着けて
Aの体を抱っこ紐で固定する
「フーム、なるほど」
「あぁ〜う」
彼女が笑いながら俺の方を見つめる
つい、つられて、ふふ、と頬が緩んだ
「顔が良く見えていいねぃ」
「フフフ、そうでしょう?
一応、候補としては2つあるのだけど
試してみる?」
「あぁ、ぜひ」
2つ目の抱っこ紐は
スリングと呼ばれる代物で
片方の肩に布をたすき掛けして
横抱きができるものだった
「うう”」
「おっと、これは合わないみたいだ」
彼女の体が小さいからか
顔まですっぽり布の中に
くるまれてしまうため
2つ目の候補はなしとなった
「最後のはコレね
腰に巻いて、台座の上に
赤ちゃんに座ってもらうのよ」
試しに、自分の腰に巻いて
ベルトをギュッと引っ張るが
おかしい、シマラナイ?
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2021年12月23日 1時
