ちび夢主 10 ページ42
店の赤ん坊用の服を選んでいる最中に
Aが起きてしまったため
落ち着いた場所であやすために
店の外で日差しを避けながら腕の中で揺らす
「ほ〜ら、今日はいい天気だよぃ」
「う、う”」
Aに外の景色を見せながら
腕の中であやしていると
彼女はふと泣き止んで
道端に咲いている青い花に視線を向ける
花の近くでしゃがんで、彼女の手が届くようにした
「お花だよぃ、可愛いなァ」
「あ〜」
Aの手が花に届くように抱っこして
青い花を触って、きゃはは、と嬉しそうに
大笑いをした
ンンン・・・可愛い・・・
Aがはしゃぐ様子から、ぼんやりと
俺とAの間にもし子供を授かったら、と
悶々と頭の中で想像してしまう
もし子供を授かったら、何て名前をつけようか
出来れば、親父の名前を冠する名前をつけたい
そしたら、エドワードになるのか、いいねぃ
女にエドワードは少し違和感があるから
やはり男につけるべきか・・・
息子がいたら娘も欲しくなる
娘にはなんて名前を付けようか・・・
それはAと決めればいいか
待てよ・・娘が出来たら・・・
そのうち、恋人も出来ちまうじゃねぇか
駄目だ、俺より強い男じゃないと認めねぇ
「マルコ!」
「ハッ!!?」
いきなり後ろから肩を叩かれたので
驚いてAを腕の中にひっくるめて
バッと立ち上がってしまった
「な、なんだ・・お前らか・・」
「久しぶり!驚かせてごめん」
「ずっと声かけても
独り言言ってるからさ〜」
店主のサラの息子たちである
兄弟のコリーとアレックスが
声をかけてきたようだった
「あぁ、そうなのかよぃ・・・
そりゃ悪かったなァ」
「いいよ、ところで・・・」
「その子・・・
マルコの子供?」
「いいや、違うよぃ
俺の奥さんだ」
そう言うと、いきなり二人は
ずりずりと後ずさりをした
「え?やば・・・?」
「ついにイカれたのか・・・」
「アレク、彼の頭の容態は?」
「もう、手遅れでしょう・・・」
「聞こえてるよぃ、クソガキ共」
二人はへへへ、と
悪戯っぽい笑みを浮かべた後に
すぐこちらに駆け寄ってきた
Aも二人に興味が向いた様子で
目をぱちぱちさせながら
二人の顔を交互に見た
「こっち見てる!」
「可愛い〜!
本当にマルコの子供?」
「奥さんだって言ってるだろぃ!
あのな・・詳しく話すと・・・」
こうなった経緯を
事細かに話し終えると
二人の瞳はきらきらと輝いていた
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2021年12月23日 1時
