ちび夢主 8 ページ40
食堂に行き、風呂に入って
自分の部屋に戻る途中で
Aの様子を見ようとして
ナースたちの部屋に行くと
「うぇ、えぇええん・・」
「よしよし・・・ふぁぁ・・」
部屋の扉の前で
ナース長が眠そうな顔をしながら
Aを腕の中であやし続けていた
「よこせ」
眠そうなナース長の腕から
ぱっとAを奪い取って
自分の腕の中におさめる
ナース長は驚いた後に不機嫌になって
戻ろうとする俺の肩を
みしみし、と強く掴んだ
「・・マルコ・・・・
何すんのよ、やめてよ
せっかく寝そうだったのよ・・」
「お前らが寝不足だと
親父がいらねぇ心配するだろぃ
睡眠不足は美容に良くねぇ」
「・・・驚いた
アンタが美容の心配するとはね」
「うるせぇ、いいから早く寝ろ
あと、手を離せよぃ・・・
武装色なんて教わりやがって」
「待ちなさい、せめて
おしめ用の布を持っていって
替え方分からなかったら
またここに来なさい」
「おう、ありがとよぃ」
Aを腕に抱きながら
ナース長から2枚の布を受け取り
そのまま自分の部屋に戻って行った
--------------
自分の部屋に入り、電気を点けてから
机の上に布を置いて
体を揺らしてAをあやす
「うぇぇぇ、えぇええん・・」
「・・・ママが恋しいかよぃ」
「まま・・・ままぁ・・・」
今まで幸せに
あの二人の両親の愛を貰って
今日も、母親の隣で
ゆっくりと眠ることができただろうに
突然、知らない奴に囲まれて
さぞかし怖かったのだろう
「巻き込んでごめんなァ・・」
「うぅ」
背中を優しくさすっていると
段々と、Aは泣き止んで
ぐずらなくなってきたので
そのまま、ゆっくりと
自分のベッドにAを寝かせる
「ふぇ、ええぇん」
「ん、抱っこがいいのかぃ」
ベッドに寝かせようとしたら
またぐずり出してしまったので
両腕に抱えながら、椅子に座って
片手で背中をゆっくりとさする
もう片方の手で彼女の体を支えた
普段も小柄だが
今はよりちっちゃいなァ
その動作を何分も続けているうちに
すー、すー、と寝息が聞こえてきて
そっとAの顔を覗き込むと
瞳を閉じて、眠っていた
その寝顔に誘われるように
俺も何だか眠くなってしまった
Aを抱いたまま
電気を消して、ベッドの上に座る
寝ている間にベッドから落ちないよう
壁側にAを寝かせて
顔を隠さない程度に毛布をかける
「おやすみ」
彼女の横に寝て
片手を彼女の体の上にそえ
瞳をすっと閉じた
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2021年12月23日 1時
