ちびマルコ21 ページ25
傷に消毒液をかけて
血を洗い流した後
小型ナイフで、傷を抉る
「ッぐ・・・!!」
「ごめんなさい!もう少し・・!」
彼は痛みを我慢して
私を叩くわけではなく
掴んでいる草をぎゅうううと握る
すぐに、すぐに終わらせる
弾丸を見つけて
ナイフで抉り出しながら
ピンセットで掴んで取り出し
ぽいっと乱暴に捨てる
「終わりましたッ、大丈夫・・!」
すぐに手持ちの包帯を
太ももの傷に覆うように巻く
大丈夫、と彼を抱きしめて
背中をぽんぽんと叩く
「・・・まだ肩もあるんです・・・
我慢、できますか・・・?」
彼は私の背中に手を回して
抱きしめた後、息を深く吐いて
小さく、コクリと頷いた
「ありがとうございます・・
ちょっと、服脱がしますよ・・」
マルコさんは大人しく
私から手を退いてくれた
彼の上着を脱がして、傍に置き
肩の傷をまた消毒液で洗い流す
「しまった・・包帯足りない」
どうしよう、他に
綺麗な布は・・・
考えられる代用品は一つだけで
私は服を脱いで
キャミソールを脱ぎ
小型ナイフで破いて一枚の布にした
あまり綺麗な布じゃなくて
ごめんなさい、と謝り
肩の傷を診る
弾丸、やっぱり残ってる
再びナイフとピンセットで
肩に残った弾丸を取り出そうと
奮闘する
「ぐぅ・・・ッあ・・!!」
ぎゅううと彼は
痛みを耐えるために
また草を掴んで耐えてくれた
「っよし・・・!」
自分のキャミソールで
素早く肩の傷を覆って
ぎゅっと縛り、一先ずは
治療が終わった
「終わりました・・もう・・
大丈夫ですよ・・」
彼は少し涙を流していたので
見なかったフリをして
ぎゅううと傷が痛まないように
抱きしめて、安心させた
海楼石の弾丸を抜いたのに
まだ力が弱いのはやっぱり
彼の体力自体がもうないのか
「・・・あり、がと・・な・・」
マルコさんは掠れた声で
お礼を言ってくれた
じわと目頭が熱くなる
「・・それは私の台詞ですよ
私を、庇ってくれて・・・
ありがとうございます・・」
彼の体が熱い
早く船に帰って
ナースさんたちの治療を受けなきゃ
「喉、乾いてますか・・」
「・・・・すこし・・」
「ん、そうですよね
・・・・ちょっと待っててください」
幸い、湖が近くにあって助かった
飲める水かどうかを
自分で飲んで確認してから
手ですくって彼の前に持ってくる
「え、えーと・・」
飲ませようとして
両手の水を口に運ぼうとしたが
「んぶっ・・・」
失敗した、すまんやで
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2021年12月23日 1時
