ちびマルコ20 ページ24
この城、廃墟になるくらい
古くなってるってことは
牢屋は大体地下室にあるはず
大広間で騒ぐ海賊たちに
気を付けながら
地下室に続く階段を見つける
「見張りもなし・・
随分と軽率だなぁ・・・」
わさびに先に気配を探ってもらい
敵がいないことを確認すると
階段を素早く降りて
扉をガチャと開ける
目の前には没収された荷物があり
回収して、身に着けた
そして奥へ進むと
幾つかの牢屋があり
一番手前の牢屋に人影が見えた
「・・・隊員さん!
ご無事ですか!?」
「A・・・か・・?
な、なんでここに!!?」
「静かに・・・!
話はあとで、今は早く
ここから出ましょう」
「あぁっ・・・」
わさびの能力の一つである
マグマを吐いて、錠を
溶かしてもらい
隊員さんの鎖も
溶かしてもらった
「ありがとな・・
そうだ、マルコ隊長の様子が変だ!
息が荒いし、血も・・・」
「なんですって・・・!?」
治療をしてと言ったのに
ギリ、と歯を食いしばって
隊員さんに教えてもらった
牢屋に駆け付ける
「わさび、早く」
「ガァァ」
わさびを急かして
牢屋の扉を溶かして
彼に駆け寄って傷の具合を診た
「ひどい・・・
碌な治療をしてない」
隊員さんが言った通り
息遣いも荒い、しかも高熱
出血も、ちゃんと止血されてない
隊員さんが見つけてくれた
海楼石の錠の鍵を使って
彼を繋ぐ錠を外した、が
「再生能力が、働かない・・
弾丸がまだ残ってるんだ・・!」
「A!
俺は先に抜け出して
親父たちを呼んでくる!
マルコ隊長を頼んだぞ・・!」
「・・・わさび」
「ガァ!」
わさびに壁を破壊してもらい
隊員さんと一緒に
弱りきったマルコさんを支えながら
近くの湖に身を隠した
「わさび、隊員さんと」
「ガ」
「・・・ここにいろよ!
すぐに戻ってくる!」
隊員さんはわさびに飛び乗って
飛び立って船が停泊している
方角へ飛んで行った
マルコさんを
木に寄りかからせて
巻いてあった包帯を取り
太ももの傷の具合から診た
「・・・熱を帯びてる・・
早く、弾丸を取り除かなくちゃ・・」
回収してあった荷物の中を探り
消毒液を入れた小瓶と
ピンセット、小型ナイフを取り出し
傷の少し上のところを
持っていた布で縛り
目がうつろなマルコさんに
声をかけた
「・・・ごめんなさい
痛かったら、私のこと
叩いていいですから」
彼は理解したかのように
手で地面の草を掴んだ
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2021年12月23日 1時
