ちびマルコ19 ページ23
私は後ろの気配にそっと
手を伸ばして、おいでと
優しく声をかけた
「よしよし・・・
いい子だね、わさび」
「ガゥ」
「な、なんだその・・
白いドラゴンは・・・!!?」
ここが廃墟の城でよかった
おかげでわさびは難なく侵入でき
ここまでたどり着けた
「私の可愛い家族です
わさび、もう少しで終わるから
ちょっと待っててね」
「ガァ」
わさびの顎を撫でながら
私は男にもう一つ質問をした
「一個、違和感があるんですよ
私に、次の島に骨董品に
詳しい人がいるって
教えてくれた隊員さん・・・
見た目は、私の知ってる隊員さんなのに
何か違う気がして・・・
貴方ならご存じですか?」
「あ、あァ・・・それも
俺の能力で・・・
白ひげ海賊団の一人を攫って
空間を奪い
俺の部下に纏わせたんだ・・
それでここに来るように仕向けと
命令を、した・・・」
「へぇー・・・・すごいですね
その能力、結構使い勝手がいい
・・・高値で売れるかも」
「ひ、ひぃぃぃ!
頼む!死にたくない!
命だけは!嫌だ!!」
冗談ですよ、と笑ってあげたが
男はずっと震えたままだった
よし、とりあえず
聞きたいことは聞けた
マルコさんと
空間を奪われた家族を見つけて
とっとと家に帰ろう
「ご回答ありがとうございます
気を楽にして、もうあなたは
何も、答えなくていい」
わさびの首元を探ると
ちゃんと私の武器を
回収してくれたようで
銃型注射器に、薬剤を充填して
ガチャと銃口を男の頭に向けた
「ごめ、ごめんなさ
許してください、殺さないで」
「大丈夫、一瞬で済ませてあげます
痛みも苦しみもありません」
「な、なんで殺すんだ・・・!?
俺は、質問に答えただろう!!」
「・・・建前は
貴方たちの報復を阻止するため
生き残った貴方が、また
白ひげ海賊団に刃を向けないとは
限らない・・」
「しまぜぇん!
絶対に、もう、手は出しません!
だから・・・っ」
銃口を男の首に押し当てて
そのままブスッと針を刺す
「本音は
マルコさんを殴って蹴って・・
苦しめたからですよ
可哀想に、痛かっただろうに・・」
引き金を引いて
薬剤を男の体に流し込む
「あがッ・・!!
がぁあぁぁ・・!」
「安心して
きっと次、起きるときは
優しい人に出会えますよ」
注射器の中の薬剤を
完全に流し込むと
男は白目をむいて床に崩れた
「さ、行こうか」
「ガッ」
わさびと共に
慎重に部屋を出て
マルコさんたちが
いるであろう牢屋に向かう
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2021年12月23日 1時
