ちびマルコ17 ページ21
船長は私のことを気に入ったようで
部下に命令させて
両腕の錠を外してもらった
「ありがとうございます
お名前を、教えて頂けませんか」
「あぁ、俺は
クロックと言うんだ
よく覚えておけ、未来の
億万長者の名前だ!」
「素敵・・・
クロック、様?」
「へ、へへへ!
ジーハハハハハ!!」
鼻の下伸ばしやがって馬鹿が
ナースさんと一緒に
海賊版女性雑誌、女ヶ島出版の
メロメロ特集
海賊の男を落とすには、を
読んでおいて良かった
「船長!不死鳥はどうします?」
船長が部下の言葉に答える前に
私が先に言い放つ
「慈悲深いクロック様は
手当てを施すのでしょう?
そうしなければ、この子は
死んでしまいますもの」
「ハハハ!そうさ俺は慈悲深い!
だが不死鳥の実さえ
手に入ればいいんだぞぅ?
だからその小僧が死んでも構わん!
近くに悪魔の実用の果物置いて
牢にぶち込んどけーい!」
「・・・そうなのですね
少し勿体ない気もしますが
クロック様が
それでいいのなら・・」
「え、え?なんだ?
俺何か勿体ないことしたか?」
引っ掛かりやがったなぶぁーかめ!
心の中で大爆笑しながら
ご進言をしてあげた
「お言葉ですが・・・
もし、クロック様が
ご自分でこの子の首を獲ったと
世界に報じてしまえば・・・
貴方様は富を得るばかりでなく
名声をも得ることでしょう・・
あの、白ひげ海賊団の
一番隊隊長を討ち取ったと・・」
「おおお!確かに!」
「でも、そんなに都合良くは
物事は進みませんよね・・
それに上手くいったら
世の女は貴方様を
放ってはおきませんでしょう・・
先ほどの私の発言は
お忘れくださいませ・・」
「いや!お前の言葉は正しい!
そうしよう!
おい!船医!
こいつの傷を手当てして
牢屋にぶち込んでおけ!」
「了解です!」
よし、良かった
船医と共にどこかへ
連れていかれるマルコさんに
目で、安心して、と
合図を送った
「宴にするぞ!!
お前らは自由にやってろ!
俺はこの女と後ろの空き部屋で
よろしくやってるからよォ!」
ハハハ!!、と周りから
笑い声が上がって
中々止む気配がなかった
ぐっと肩を抱かれて
無理矢理に奥の部屋に
連れていかれた
そして無造作に敷かれた
布の上に座らされる
「手が早いのですね・・
そんなワイルドなところも
素敵・・・」
「へへへへっ、そうかァ
愛いなぁ、愛いぞぉ」
のしのしと、鼻を伸ばして
こちらに近寄ってきたので
首に手が届くところで
ブスッと首に注射器を刺した
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2021年12月23日 1時
