ちびマルコ15 ページ19
マルコさんの叫びと銃声で
瞬時に体を伏せた、いや正しくは
マルコさんに覆いかぶされて
体を伏せることができた
「マルコさん・・・!」
一体何が、と起き上がると
ピチャ、と何かが頬にはねた
すぐにそれが
マルコさんの血であると認識して
彼の体を抱え込んで、低姿勢で移動し
銃が飛んできた方角から
物陰に身を隠した
「ッ・・・無事、か」
「私は大丈夫です・・!
マルコさん・・・私を庇って・・っ
すぐに止血します!」
マルコさんの肩と太ももに
弾丸が残ってる
まずは、弾丸を取り除かないと
いや、それより
落ち着いて治療ができるところに
逃げなくちゃ
「逃げろよぃ・・・
このまま、二人捕まったら」
その時、ガサッと
草陰が揺れて
背丈の高い男が姿を現す
「ククク・・まさに一石二鳥!
女も捕まえられるとは思わなかった」
「うっ!!」
首を大きな手で捕まえられて
そのまま持ち上げられる
「やめろ!!!その人は」
マルコさんが何かを言い終える前に
敵の一人に口を猿ぐつわで
口を塞がれてしまった
「マ、マルコさん・・・っく」
懐から隠しておいた
睡眠薬入りの注射器を
私を捕まえている男に刺そうとしたら
彼の首元に刃物を向けられる
「分かるだろ、お嬢さん」
「・・・・ッ降参」
ぽいっと持っていた銃型注射器を捨てて
手を上げて、降参のポーズをとる
すると私を掴んでいた大男は
私の首から手を離して
地上に落とした
逃げる隙もなく、敵に囲まれて
両腕を錠で拘束される
マルコさんも無理矢理立たされて
両腕に海楼石の錠で拘束されてしまった
「ちょっと!!彼に拘束具は
必要ないでしょ!」
「いやいや、とんでもない
いくら14の餓鬼とはいえ
あの不死鳥マルコだ」
俺たちは用心深いんだよ、と
敵たちを統率している
大男は笑いながら答えた
「せめて、治療をして!
あの出血量じゃ死んでしまいます!」
「へへへっ、そいつぁ
船長のお心次第さ
そうだな・・・
お前の身の振り方によっちゃ
不死鳥は生きたまま
無事に売られるだろうさ」
「身の振り方?」
「分かるだろ?
女ができる身の振り方だよ
船長は従順な女が好みでな」
ハハハ、と
周りから笑い声が上がる
きっしょ、なんだこいつらァ
殴りたい気持ちを抑える
「じゃあ、その船長様に
会わせて頂けるんでしょうね」
「そういうことだな
気に入ってもらえるように
せいぜい媚びろ」
ファック!!!!
そう思いながらバレないように
指輪を外して、ポケットにしまった
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2021年12月23日 1時
