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ちびマルコ13 ページ17

14歳のマルコさんが来てから
2日後に、次の島に着いた
補給作業や、縄張りの島ではないため
敵船や海軍が近寄って
来ないように見張る監視の仕事で
忙しい隊長たちに代わり
私と、マルコさんが
二人で骨董品の店にやってきた


「お邪魔します・・」


その店は市街地から離れた場所にあり
営業しているのか、していないのか
外見からは分からなかった
マルコさんが先に扉を開けて
お店の中に入ると
出入り口付近に、煙草を吸っている
中年くらいの男性がいた


「いらっしゃい」


「少し聞きたいことがある」


「・・・なんだ?」


店員は読んでいた新聞を置き
吸っていた煙草を灰皿の上にのせて
私たちの話に耳を傾けてくれた


「この懐中時計の用途が知りたい」


「どれ、見せてみろ」


例の懐中時計を店員は手に持ち
じっくりと観察した後
ちらっとマルコさんを見た後
私の方にも視線を移した

そして少し待っていろ、と言い
彼は店の奥へ何かを取りに行った
私は小声で、マルコさんに異変を伝える


「・・・マルコさん」


「あぁ、分かってる
・・・お前は先に船に戻れ」


「だめ、逆に勘づかれます」


それに相手の狙いは私じゃない
店員が戻る気配がしたので
私たちは会話を止めて
彼が持ってきた本に目を向けた


「確かこれに書かれたはずだ
・・・どこだったかな
ちょっとページを探すから
そこの椅子に座って・・・
しばらく待っていてくれ」


「わかった」


二人で店員に言われた椅子に
大人しく座って待つ
待つフリをして
私は店員に気づかれないように
準備を、進めた
そして小声でマルコさんに話しかける


「・・・何人か、分かりますか」


「少なくとも6人」


「なるほど・・・」


ちらっと店の中にある
一つの窓に目を向けると
人影がちらっと横切る
窓の傍に人がいる
扉の向こうにも勿論いるだろう
相手の武器が分からない今は
強行突破は向かない
裏口から行けるかな・・・


「それぞれの出入り口に
2人ずつ、ついてるはずだ
裏口もアウトだよぃ」


「そ、そっか・・・じゃあ」


「・・・あの男を囮にでもするか」


「オーケー、任せてください」


チャキ、と銃型の注射器に
睡眠薬を充填して
すっと不自然ではないように
本を捲る店員に近づく


「・・・なんだ?お嬢ちゃん」


「見つかったかなって思いまして」


「うっ!?な、何を!?」


本を覗き込むフリをして
銃口であり、注射器の針を
店員の首にブスッと刺して
引き金を引き、中身の薬剤を流し込む

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作者名:ロモォコ | 作成日時:2021年12月23日 1時

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