ちびマルコ10 ページ14
私の吐血が治ったところで
正気を取り戻すと
何やら別のゲームが始まっていた
「何してるんですか?」
「人生ゲーム!」
「俺の隊員が持ってきてくれた!」
誇らしそうにラクヨウさんは
自慢をして、自分の駒を進めた
ゲームに参加してるのは
ラクヨウさんとイゾウさん、ナースさんに
ナミュールさんが参加していた
今のところ順調なのはナースさんらしい
「わったしの旦那さんは〜
高身長で、賢くて〜
白い髭が生えてて〜、70代の〜
グッドルッキングガイ〜」
「該当者一人じゃないですか」
「生憎だけど、彼は
私の旦那さんよ」
「おっと?」
「私は〜本妻〜
ナース長は〜愛人〜」
「表出ろ」
お酒も飲んで酔っ払ってる
ナース長さんが
ナースさんの首根っこ掴んで
引っ張っていたので
どーどー、とナース長を抑えた
「まーまー、ナース長」
「キャーー!ナース長のゴリラー!」
「なぁんですってぇ!?」
「うわぁ!」
怒り狂ったナース長が
私の腕を振りほどいて
ナースさんを締め上げている
し、死んじゃうよぉ!!
「フッ、やぁねぇ
すぐ手を上げるんだから」
良い声でナース長を
挑発するように、そう言ったのは
イゾウさんだった
「はぁぁぁ・・・?」
ナース長は目をギラッと光らせて
締め上げていたナースさんから
手を離して、イゾウさんに視線を向ける
「オカマは黙ってなさいよ」
「女形っていうのよ、知らないの?
品のない女ね、そんなんじゃ・・
いつか親父に女扱いされなくなるわ」
「喧嘩なら」
彼女は長い脚で人生ゲームを
していた机を蹴り上げ
イゾウさんたちはそれを
察していたかのように避けた
「買ってやるわよ」
「やだぁ、ナース長
はしたないんだから・・・」
イゾウさんも・・
よく見たら酔ってんなぁ
気絶してるナースさんを
安全なところに運んでいると
すっと腕が添えられた
「手伝うよぃ」
「ありがとうございます!」
とりあえず二人でナースさんを
椅子に座らせておいてから
新しく勃発した戦争に目を向ける
「腕相撲で勝負よ!樽持ってきて!」
「望むところだわ」
「いいぞー!樽持ってこーい!」
「あ、あぁ・・・
俺たちの人生がぁぁ・・・」
ラクヨウさんとナミュールさんが
嘆き悲しみながら
自分たちの駒を拾って泣いている
か、可哀想に
落ち込んでいるかと思いきや
床に散らばったゲームの部品を
素早く拾い上げて、片付けて
「さて、人生やり直すか」
「次はアーティストに・・」
健気〜!!
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2021年12月23日 1時
