潜入捜査 8 ページ17
今の砂、クロコダイルさんだよね
姿は現れなかったけれど
・・・彼を助けた、ように見えたけど
私はその場から静かに立つと
耳元で不気味な低い声がした
だ ま って ろ よ
ぶわっと冷や汗が出てきて
はぁ、はぁ、と落ち着いて
呼吸をしないと、息ができない
壁に手をついたまま
立ち尽くしていると
スモーカーさんが、駆け付けてくれた
私は出来るだけ
何事もなかったかのように
振舞った
「あそこに倒れてる男子生徒が
喧嘩っぽいことをしてました
ちなみに例の、問題とは
関係ありません・・・」
「そうか、報告ご苦労」
スモーカーさんは怪しむことなく
づかづか、と転がっている
男子生徒たちの方へ歩き出し
ガミガミ、と叱っている声が
聞こえてきた
私はフラフラと手すりを頼りに
階段を下りて、教室に戻る
教室に着くと、もう既に
始業時間近くだったらしく
クラス全員が席についていた
監視対象の隣の男子生徒までも
大人しく座っていた
マルガリータちゃんが
心配そうにこちらに目配せしたので
大丈夫だよ、と目で伝えておいた
再び、席に戻って
一度頭の中を整理した
正直一番疑わしいのは
クロコダイルさんかと思ってた
彼の経歴もあるけど、それより
あんな策略家が
何の目的もなく、学校の理事長には
ならないだろう、という憶測がある
砂に紛れていれば
確かに監視の目は逃れられるし
生徒たちが売人の正体を言わないではなく
脅されて言えなかった、もしくは
姿が分からないから証言できない
そういうことなら合点がいく
でも、さっきの場面を見るに
・・それほど、悪い人にも
見えない気がしてきた・・
でも、まずは
クロコダイルさんと
隣の男子生徒が会っている瞬間を
捉える必要がある
意気込んで授業の用意をしようと
ノートを出すと
サラサラ、と砂が運ばれてきた
驚いて、思わずノートを捨てようと
してしまったが、堪えて
その経過を見守った
ほうかご、おくじょうへ
放課後、屋上へ・・・
砂を操るから、このメッセージの主が
クロコダイルさんなのは間違いない
なんのつもりだろうか
罠、かもしれない
私の正体も多分、バレてる
でもあっちから招いてくれるなら
招かれてやろう
こっちには秘密兵器もある
もし犯人じゃなくても
何か情報を握ってるかもしれない
ささっと砂を払うと
自然と砂は床に落ちることなく
そのまま窓を抜けていく
私は自分のノートの端に
了解
と、だけ
小さく書き込んでおいた
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ロモォコ - まなかさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです〜!!これからもよろしくお願い致します!! (2021年11月10日 14時) (
レス) @page42 id: f9fe79d7b3 (このIDを非表示/違反報告)
まなか(プロフ) - めちゃくちゃ文字打ったら短い文章にしろと言われ、、泣 最初から読みました！大好きです！！更新楽しみにしてます！！(こんなんじゃ言いたい事足りない泣) (2021年11月9日 19時) (レス) @page42 id: 3d8bc76236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2021年9月26日 2時
